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近衛予備隊-368 [高校生バトル-79]

「大がかりな工事になると聞いてるがどうなんだ?」
「残したい樹木や岩以外は全面的に造り変えます。
 高校生は斜面の崩落を防ぐ土木工学を学び、地質調査を行っています。
 プロジェクトを立ち上げた頃には考えもしなかったことなのですが重機の操作を学び始めてる子もいるのですよ。」
「彼らは全部自分達の手でと考えてるかな?」
「ええ、指導は受けていますが、安全に配慮し時間が掛かっても彼らに任せてみたいと大人達は考えています。」
「そこでも自由度の高い学校の良さが出そうだな、今は工事だけに集中していても良いのだろ?」
「はい、外国人スタッフから学業の遅れについて質問されることが有るのですが、全く無意味な質問なので、我が国の学校システムを学んでから質問して下さいと答えています。
 ただ、子ども達に任せきることの出来る生きた学習の場は、ここだけでは足りないとも感じていまして。」
「高校生が増えてるからか?」
「それも有ります、今までの実習とは意味合いが大きく異なり、技術者を育てるには良い環境だと思うのです、大人の手伝いをすることがメインの実習とは全く異なりますので。」
「彼らは大統領にそう思わせるだけのことをしてるのだな?」
「ええ、簡易水力発電の為に水路の構築を計画しているのですが、増水時のみに機能する、水を一気に下に流すための水路は中学生がその必要性にいち早く気付きました。
 紙で風力発電を試した子は色を塗って楽しんだのですが、実際に運用する風力発電装置には絵を描こうと、絵は風のない時しか見られませんが、それが回転した時に綺麗に見える様に検討しています。
 また、風車そのものに電球を取り付けたら夜間照明として面白いとか、様々な案が出て来ていまして、簡易発電によるイルミネーション構想が出ているぐらいです。」
「大人に任せるよりも楽しそうだな。」
「ええ、測量と並行して全体の設計にも取り組み始めているのですが、ビオトープや花壇なども計画しています。」
「大人でも散歩に行きたくなる通学路なのかな。」
「散歩出来るかは微妙です、道幅に余裕を持たせ様々な傾斜の道を用意することでトレーニングに使うことを考えてるそうで。
 自分達で作る自分達の通学路を最大限に活かしたいと話してるリーダーもいるそうですよ。」
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