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近衛予備隊-367 [高校生バトル-79]

「ジョン、私の歳になって何が楽しいのかってあまり考えてなかったが、子ども成長に触れるのは最高かもな。」
「自分の指導をして下さっていた時もそんな感覚だったのですか?」
「かも知れない、これくらい出来て当たり前だろうと思う事が出来ない部下を教えるより、少しのヒントで理解してくれる子どもに教えることは気持ちが良かった、ジョンとの時間は自分にとってストレス発散の場になってたと思うよ。」
「お役に立てていたのなら嬉しいですが、娘は如何です?」
「チェスでジェシカに勝てなくなったシッターになら、もう将棋でも負けないだろう。
 語学学習や電気を中心とした学習で鍛えられた脳は中々のものだと感じたよ。」
「小さい頃から多くの学習とは考えてなかったのですが、好奇心旺盛な子ですので。」
「少し極論になるが、まだ幼いから今記憶してることを全部忘れてしまったとても、考える力が身に付いていて将来伸びると思うんだ、暗記力だけの人は面白みに欠けてね。
 ジョンの考える力はどこで養われたと思ってる?」
「あまり大きな声では言えないのですけど、切っ掛けは幼児期だと思います。」
「幼児期のことなら隠す必要はないだろ?」
「純真な子どもでは無かったのですよ。
 部落の人間関係の中で、より怒られず可愛がって貰えることを目指し、大人や子ども達を観察していたと自覚しています。」
「観察結果を生活に反映させていたと?」
「元々可愛がられてはいましたが、怒られるのが嫌で沢山考えていました。
 その結果一緒に悪さしてた兄弟が怒られても自分だけは怒られないだけでなく、それを兄弟が不思議に思わない所まで。」
「なるほど、人間関係は難しいから余程考えたのだろうな。」
「ええ、頭が痛くなるぐらいに。」
「言われてみれば私も幼い頃に将棋を教えられて沢山考えたと思う、それが今の地位とどれだけ結びついているのかは分からないがね。
 建設中の中学校では、通学路を使って簡易発電の実習に取り組んでいるのだろ、こども達はそこで考えてるのかな?」
「ええ、高校生と中学生でチームを組んでいるのですが、高校生の測量実習に参加している中学生は三角関数に取り組んでいます。
 数学として取り組んでいたら今ほど真剣では無かったかも知れません。」
「測量を理解する為に必要な知識ということか。」
「生活に直結する算数とは少し違う数学に触れ始めて来た子にとって、測量と言う作業現場で実際に使われている数学は良い刺激となった様です。」
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