SSブログ

近衛予備隊-366 [高校生バトル-79]

 簡易発電実習に関する中川さんの提案は、すぐに検討され実行することに。
 子ども達には簡単な設計図や必要な物を揃える為の予算書の提出から始めて貰う。
 建設中の中学校へ上がる斜面はホテルからも見えるので、それを意識した照明と言うのが一つの課題。
 高校生たちはサンプル的に簡易水力発電機と簡易風力発電機の制作に取り組み始め、エミリアを中心とした教師グループが助言のポイントを検討。

「中学生たちは何処にどんな照明を付けるのかを考えることから始めたのね。」
「ああ、単に道を照らす照明ではなく、先々は斜面を使った光のアートにしたいと考えている。
 発電装置は試作機で運用を始めつつ改良して行く方針だ。
 まずは試作一号機を目指して七つのグループが動き始めたよ。
 すでに夢中になって発電について学んでいる子達は、エミリアが用意した部品を使って紙製の風力発電機を作り豆電球の点灯に成功したそうでね。」
「ええ、ジェシカが手伝わさせて貰えたと喜んでたわ、邪魔にならないか心配していたのだけど。」
「エミリアとドイツ語で会話する唯一の存在として一目置かれ、小さいながらも電気の基礎を分かっているから、チームでは可愛がられているそうだよ。」
「ジェシカにとって良い刺激になってるのかしら?」
「それは間違いないだろう、中学校が王宮でスタートしてから、お兄さんやお姉さんに構って貰えるのが嬉しいみたいだからな。
 エミリアから教えられた基礎を伸ばせるかどうかは先輩次第かも。」
「おっきい子達にとって小さい子に教えるのは面倒では無いのかしら?」
「彼らはエミリアから、子どものレベルを考えながら何をどこまで教えて行くのが適切なのか研究して行こうと言われていてね、ジェシカは大切な研究対象なんだよ。」
「難し過ぎても簡単過ぎてもダメだとは理解してるけど。」
「その辺りは個々の性格にもよるからな、ジェシカは背伸びしたくて沢山考える、考え過ぎて頭が痛くなるとか言ってるだろ。」
「大丈夫かしら?」
「本人が嫌がっていないのだから大丈夫、幼い頃に頭が痛くなるほど考えると頭が鍛えられるそうだ、多くを記憶するだけでは得られない効果があるのではないかな。
 もっとも、小さい頃にそこまで考える子は多くないからデータ的な根拠は弱いのだけどね。」
「チェスで勝てなくなったシッターがジェシカに日本の将棋を教え始めたのだけど。」
「ジェシカはどうなんだ?」
「今はルールを覚えるのを楽しんでるみたいだけど、負けず嫌いだから…。」
「シッターに内緒で先生を付けるか?」
「先生っているの?」
「店のフロアマネージャーからエリア統括マネージャーになった俺の師匠と相談してみるよ。」
nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。