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近衛予備隊-364 [高校生バトル-79]

「詩織さまの存在は大きいですね。
 日本には天皇がいますが、自分達が意識することは普段全く有りません。
 でもここの子達はこと有るごとに詩織さまに対して恥ずかしい行いはダメだとか口にします。」
「特別な教育をした訳では無いのですが、この国の改革が詩織さまによって始められたことによって、自分達の生活が良くなってることは誰しもが理解していますし、女神さまでも有りますから。」
「小鳥との映像を見させて頂きましたが、餌付けはしてないのですよね?」
「そうですね、映像を公開してる鳥に餌は与えていません。
 餌になる実を付ける木を、詩織さまの庭園から離れた所に増やしているぐらいで。
 最近、詩織さまがお遊びで芸を仕込み始めた鳥たちは餌を貰っていますが。」
「芸ですか?」
「まだ練習を始めたばかりで、どうなるか分からないそうですが、子ども達を楽しませられるレベルにしたいと話しておられました。」
「企業のトップでも有るのですからお忙しくは無いのでしょうか?」
「小鳥と触れ合う時間は彼女にとって、くつろぎの時間だそうです。
 会社組織は彼女が忙し過ぎることのないよう直属の部下に多くの判断を任せています、それでも日本にいたら断りにくい来客が多過ぎて面倒だからと、この王宮で暮らしていらっしゃるのです。」
「成程、女神さまが忙しくされていては周囲の人達が困りますものね。
 詩織さまの教えは広まっている様ですが、宗教的活動はされてないのですね。
 子ども達は詩織さまの教えを守っているからかトラブルが少ないと感じるのですが。」
「子ども達の中には僅かな収入からも寄付を強要する宗教団体を経験した子もいます、それに対して詩織さまは何も求めず救いの手を差し伸べましたので、自然と広がっているのです。
 日本の学校ではトラブルが多いのですか?」
「自分の子ども時代はそれなりに有りましたが、ここでトラブルが少ない要因としては、同じ年齢の子だけでグループを形成していないことも有ると思っています。」
「子どもの集団は兄弟から始まりますので、同じ年齢だけのグループは不自然です。」
「確かにそうですね、日本では年齢で区切った学年で子どもの社会が形成されていまして。
 勿論それだけでは無いのですが、学習に取り組むメンバーは年齢で固定されているのです。
 固定されたクラスの中で、力関係上下関係が出来て行くので歪んでいるのかも知れません。
 ここでは年齢に関係なく学習に取り組んではいますが、おっきい子が小さい子の面倒を見、時にはしかることも普通、それが本来の子ども社会の有るべき姿かと、自分が気付いていないだけかも知れませんが、人をいじめることも無いようで。」
「無い訳ではないのですが、周りが気付いて対応しています。
 どんな子でも人として尊重されるべき、詩織さまの教えですが、それには子ども達も理解出来る説明が付けられていますので。」
「ですね、何故学ぶのか何故そのルールが有るのかを子ども達が納得してるから、ここの子ども達は生き生きと学習に取り組んでいるのだと思います。」
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