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近衛予備隊-363 [高校生バトル-79]

「子ども達が学習に対して自分から取り組む環境を作り出すことに成功していますので悪い訳が有りません。
 学校が出来た当初からのことを教えて貰いましたが、親の事情により子ども達が寄せ集められたとは思えない程、仲良くのびのびと学習に取り組んでいると感じています。」
「ここへ来るまでに低賃金でこき使われていた子がそれなりにいましたからね。
 彼らは、親がここで働き始め生活が安定したことで労働から解放されたのですが、その時に近衛予備隊の子ども達が生き生きと学び、実習に取り組む姿を目にしたのです。
 学校で学ばなかったら将来は低賃金労働、学べば様々な可能性が広がると教えられ学習に取り組み始め、自分が何をすべきなのか直ぐに理解したのだと思います。
 当初は教育システムが充分出来てませんでしたが、今の形を目指して教師が試行錯誤を繰り返えす姿も彼らにとっては良い刺激になったのかも知れません。」
「その過程で年長者が教えると言うことが当たり前になったのですか?」
「近衛予備隊では当たり前のこと、学校のスタート時は予備隊の子達も学習を手伝っていましたので自然とそんな形が定着して行ったのです。」
「しかし、ここで一番驚いたのは、学習に対する自由度の高さです。
 自由に学習する、学ばない自由が有ると言うのは自分の経験では考えられないことでした。」
「学校のスタートに当たって詩織さまから言われたのは、押し付ける教育では伸びない、自分から取り組んでこそ生きた学習になるということで、安全衛生に関することなど絶対不可欠なことも含め緩やかに始めたのです。
 でも直ぐに、学ばない自由を行使することは自分の将来にとって不利益になると年長の子ども達が気付き始め、年少者にも教えてくれました。
 その段階で個々の能力に違いが有ることを教師が説明しまして。」
「能力には個人差が有り、その活かし方によって将来の収入に差が生じるが、能力によって差別されてはならない、学校が理想としてる社会ですね。」
「はい、詩織さまの教えに沿って、協力し教え合いながら競うことなど、素直な子達ですから直ぐに実行してくれたのです、生活環境が良くなり気持ちが高ぶっているタイミングでも有りましたので。」
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