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近衛予備隊-359 [高校生バトル-78]

 宮殿内でスタートした学校はその名称を王宮中等学校とした。
 ジェシカ以外は王立第一小学校と改名した王国内の学校にも籍を置く。
 王宮中等学校は小学校の選択科目で理科の成績を伸ばしている子の受け皿としつつ、宮殿内で暮らす子たちが学ぶ場として整備して行く予定だ。
 ジェシカには義務教育に沿った個人カリキュラムを用意して貰い、理科以外は個人授業でスタートしている。
 今後、徐々に同年代の子を学友として迎え入れて行く予定だが、そこにはジェシカをリーダーとして育てたいと言う大人達の思惑が有る。
 王子の娘で有り大統領の娘でも有る彼女だが、その能力が人並以下で有ったなら普通に義務教育を受けさせる方針だった。
 しかし語学で大人達の注目を集めることに。
 王子の娘でも王位に全く関係ない存在なのだが、大人達は実力で王族になることを期待している様で、それは詩織さまも…。
 
「ジェシカは素適な子ね、純粋に知識を吸収したい気持ちが伝わって来たわ。」
「憧れの詩織さまとの時間ですから尚更でしょう、学びの時間だと理解して臨んでいたと思います。」
「でも、ジェシカが中学生になることに対して周りの子ども達はどう受け止めているのかしら?」
「王立中等学校に通い始めた子達は、素行に問題の無い子で普段から年下の面倒を見ています。
 校舎が完成したら自分達の弟や妹も、同じ様に中学生になるのですから気にして無いでしょう。」
「日本とは違う教育制度は私も推奨して来たのだけど、さすがに違和感を感じるのよね。」
「違和感ですか?」
「日本でジェシカぐらいの子は小学一年生になり六年掛けて卒業して中学生。
 中学生を名乗ってはいても学習内容は小学生程度から始まるのでしょ。
 ジェシカは理科を中心に年齢の割にはレベルの高い学習に取り組んでいるみたいだけど。」
「かなり実験的な取り組みでジェシカが嫌がったら見直すのですが、義務教育の導入部はとっつき易く設定されていますので問題なさそうです。
 彼女にとっての学習は遊びの延長で本人が楽しんでいますし、教育学部の連中が楽しく学習出来る様に工夫してくれています。
 ジェシカで試した結果を小学校のカリキュラムに反映させる方針なのです。」
「大学らしいことを出来るようになったのね。」
「ええ、教育学部は留学生が多いですから。
 義務教育の算数は簡単過ぎますので中学校の算数プログラムも検討して貰っています。
 算数教育を専門的に学んで来た人はいないのですが、エミリアの助言を受けながら、それぞれが小学校で学んだことを振り返りつつ色々調べてくれています。」
「子ども達にとって何が必要で、それをどう身に付けて行くかを見直しているのかしら?」
「はい、王宮中等学校も実験的教育を前提にしていまして、親達にも協力を要請しています。
 教育改革、次のステップは王宮中等学校からと考えています。」
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