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近衛予備隊-358 [高校生バトル-78]

「ジェシカが今まで学習して来た言語は、理科の学習と結びついてるドイツ語以外も、娯楽の形で彼女の中に残って行くのかな?」
「日常的に使っていない言語だから、残るとしたらそう言う形なのかも、忘れても構わないのよね。」
「これから沢山のことを学んで行くのだから、忘れてくれた方が安心かもな。
 でも、彼女の記憶力には驚かされるよ、前に話したことをほとんど覚えていてね。」
「私達に話すことで復習してるのよ、ジョンに教えられたことを嬉しそうに話すの。
 何時も話が長くなるから英作文担当のシッターを雇い、教えられたことを一緒に書かせてるのだけど、最近は初めてジョンとドライブに行った時のことも思い出しながら書き始めたのよ。
 慣れていないから時間が掛かるのだけど、私が止めないとずっと作文に集中していて、彼女にとってジョンとの時間は特別なものだったのでしょう、他の遊びは長く続かないからね。」
「そうか…、記憶したことを書き留めてるだけでは、優れているのは暗記力だけなのかも知れないが…、パソコンはまだ早いのかな?」
「う~ん…、英文はパソコンで日本語は手書きでとか…、ジェシカと相談してみましょうか?」
「そうだな、パソコン担当のシッターも必要か?」
「直ぐには要らなくてもいずれは必要になるでしょうね、でもシッターの希望者は留学生中心に多いから心配いらないわよ。」
「そうか、その中に算数や数学を教えられる人が居たら、理科に続いて算数教室も始められるのだがな。」
「王立高等学校の生徒はどうなの?」
「調整して貰っているのだが希望者が多くてね、算数を教えるのに問題の無い子ばかりみたいだけど、彼らを統括してくれる存在が必要なんだ。
 理科のサポートはエミリアが選んでくれて、楽しそうにやっているのだが。」
「確かにクラス分けをしてカリキュラムを組むのは難しいものね。
 理数系の留学生はいないけど、一度相談してみるわ。
 研究室で日本からの研究者を招く話はどうなの?」
「色々調整が難しいみたいでね、理数系の教育を専門に研究する研究室を新たに開くことになるかも知れない。」
「今の教育学部は英語教育が主で他が寂しいのよね。
 それが実現し研究室が増えたら大学自体が成長して行くのかしら。」
「そうだな、伝統の無い大学だから成長させて行かないと。」
「それでも留学生中心に進められている語学学習に関する研究は、思い切った英語教育をしてることで、少し注目されているみたいね。」
「ああ、国立学校に入学して英語を選択する子は多い。
 幼少期に日常使う言語が、突然大きく変化することにはマイナスの面が有ると考えられているのだが、有無を言わさず英語漬けにして英語で考える様に、親との会話が少ない子程、短期間で英語力がアップしている。
 だが、こんなこと母国語を大切にしている国では出来ないことだからな。」
「でしょうね、効率的では有るのだけど、いずれ英語が母国語になるのかしら?」
「教育の効率を考えたらな、国民がどれだけ世界を意識しているかによって速度は変わるだろうが、今まで使って来た言語に対する執着心より、観光客相手の商売に参加出来る美味しさが勝っているからな。」
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