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近衛予備隊-357 [高校生バトル-78]

 校舎の完成までには時間が掛かるので、宮殿の会議室などを利用して宮殿内の学校をスタートさせることにした。
 子ども達は今までの学校と両方に籍を置く、宮殿で暮らしていない子でも特に優秀な子には在籍を許可、王立高等学校に入学出来るレベルの子達だ。

「二つの学校で調整は出来そうなの?」
「シャルロット、学校には時間的な余裕が有るんだ、新しい学校はエミリアの理科から始まるよ。」
「年齢も理解力も違う子達なのよね?」
「ああ、最初に簡単な実験をしながら子ども達のクラス分けをするそうだ。
 メンバーの能力にもよるが一クラスの人数は抑えたいそうでね。」
「そこにジェシカも?」
「ドイツ語で教えたいエミリアとしては不本意だったかも知れないが英語でね。
 で、一つの試みとして、違うクラスの子同志が教え合う取り組みを考えてくれている。」
「教え合う?」
「授業で教えられることには限りが有る、だが教えると言うことを彼らが学んでくれたら将来は理科の教師になってくれるかも知れない。
 教師以外からも情報が入ることになり全体の学習効率が上がる、教える能力のある人は会社でも重視され昇進も早いだろ。」
「王立高等学校では『教える』も教科の一つになっているものね。
 でも、間違ったことを教えられてしまうとかはどう?」
「テキストを充実させて行く、むしろ間違ってるかもと疑問を抱いて学習に取り組んでくれたら伸びるのではないかな。」
「理想は自学自習だものね、それを手助けする存在が教師だけど、色んな教師がいて良いのかな。」
「ただ、理数系には論理的に考える力が必要、エミリアなら任せて安心だと思うが。」
「そうね、ジェシカはドイツ語で理解したことを自分なりに反芻し、少しずつ英語で話してくれるのだけど、間違ってないし妖精も登場しないのよ。」
「彼女の語学力では英語に置き換えられない単語が有りそうだが。」
「そこで苦労していることが成長に繋がるのかも、一つの英単語を知っていれば簡単なことが、それを知らないが故に歯がゆい思いをしてるみたいなのだけど、自分がエミリアから学んだことを私達に伝えたくて脳を思いっきり使ってるみたいなの、頭が痛くなるぐらいに。」
「幼児期にそう言った経験をすることで思考力を伸ばすと聞いたことが有る、エミリアには感謝だな。
 ジェシカの中でドイツ語に敗れた言語はどうなんだ?」
「ジェシカが見捨てた言語も有るけど、映像作品を見て楽しむ程度には続けているの、理科をドイツ語で理解するみたいな感じにはなりそうにないけどね。」
「それなら安心かな、語学にばかり時間を取られるのもどうかと思うし。」
「ドイツ語は学習の要素が強くなっているけど、他の言語は彼女にとって娯楽みたいなの。
 宮殿の新設校で学ぶことが決まって、算数に取り組み始めたでしょ、それが面白くも有り苦しくも有るみたいでね、今はポルトガル語の歌を息抜きにしてるみたい。」
「そこで、英語や日本語を選ばないのか?」
「彼女なりに多言語を楽しめてると言うプライドがあるのかと思っていたのだけど、単純に好きみたい、ポルトガル語は彼女の中に歌を通して残って行くのではないかしら。」
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