SSブログ

近衛予備隊-355 [高校生バトル-78]

 子どもを学校に通わせている幾人かの近衛隊メンバーに訊ねたところ、エミリアが話していた通り学校ではどんどん先へ進んでいるそうで、それが楽しそうだと、ただ、理数系に強い教師が少なく、そこがこの先の気掛かりだとも。
 詩織さまは…。

「宮殿内に学校を作る話が出てるそうね。」
「はい、近くの学校も子どもが増えて手狭になって来ています。
 増築しても良いのですが、宮殿内で暮らす子も増えていますので。」
「ジェシカ達の警護を考えたら宮殿内で完結しておきたい所だけど、外に出られなくて残念に思うかもよ。」
「それは、もう少し大きくなってからで、今はドライブに連れ出して満足させています。」
「ドライブか、ジェシカの反応は?」
「始めて目にする全てを質問して来ます。」
「ジョンが答えてるの?」
「ええ、少しずつ難しい話を入れて、どこまで理解出来るのか試しています。
 今は、質問に対して答えて貰えることが嬉しいみたいで、熱心な生徒ですよ。」
「ジェシカのことは聞いていたけど、そろそろ私も話してみたいわね、ジョンの子がどう成長しているのか見てみたいわ。」
「電気を中心とした理科に関する話はドイツ語でしか話せないのですが。」
「エミリアがジェシカの好奇心を一番満足させられたのよね、彼女が担当してる仕事は新人に引き継いで貰い、宮殿に作る学校で理科の教師をお願いしてみる?
 勿論、英語でだけど。」
「兎に角、理数系に強い教師を増やしたいですね。
 留学生達は語学が中心ですので。」
「それなら、大学の研究施設を増強して海外からの研究者を受け入れてみようか?」
「問題は予算だけですが。」
「彼らには研究面で優遇する代わりに、週に一日だけでも子ども達に理科を教えて貰う…、理科の教育者を育てて貰うのも有りかな。」
「先々を考えたら、教育者を育てて貰えるのは大きいですね。」
「王立高等学校の生徒に学んで貰い、そのまま実習として子ども達に理科を教えて貰うのはどう?
 日本の大学では若い研究者の待遇が良くないと聞いたことが有ってね、遠江大学のメンバーに持ち掛ければ検討してくれると思うの。
 ただ…。」
「ただ?」
「研究と教育は別物でしょ、研究の能力が高いからと言って教えることが上手だとは限らないのよ。」
「でしょうね。」
「大学教授でも、研究中心の人と学生に対する教育中心の人が居るみたいでね。」
nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。