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近衛予備隊-354 [高校生バトル-78]

 小規模ながら水力発電所と火力発電所を見てジェシカは電気に興味を持った。
 だが、幼児が理解するにはハードルが高過ぎる。
 彼女は電気について周りの大人達に聞きまくったのだが、電気に付いて問われても妖精さんレベルで誤魔化す人ばかりだったのは仕方ないだろう。
 そんな中でジェシカを満足させられたのはシャルロットが話してたドイツ語を教えるエミリア。

「エミリア、最近ジェシカとの時間が長くなったと聞いてるがどんな感じ?」
「詩織さまから振られた勝負にドイツ語が勝利したのです、彼女の知的欲求に一番応えられていると言うことですね。」
「電気のことを切っ掛けにしたのかな?」
「ええ、目に見えないことを幼児に教えるのは難しいですが、彼女が知りたいと思った事ととことん付き合った結果です。」
「どんなだったのかな?」
「非公開の記録映像が有りますのでそれを見て頂けたらと、ジェシカが如何に賢い子なのかも分かります。」
「幼児期でも既に能力差が有ると?」
「ええ、彼女は大統領の血筋を引き、多くの大人に囲まれて成長しましたが、知的好奇心の塊なのです。
 能力の高い子に対してどの様な教育をして行くのがベストなのか、それによってどんな結果が得られるのか、詩織さまとも話し合っているのですよ。」
「その実験的存在としてジェシカを?」
「今後も普通に学校に通う子達とは異なる道を歩むことになります。」
「王国の学校はレベルが上がって来てるから、普通に通わせられたらと思っていたのだが。」
「周りの子達が普通には受け入れられないと思います。
 彼女が読んでる英語の本も日本語の本も既に十歳レベルです。
 早熟な子に対する特別な環境が必用でしょう。」
「宮殿で暮らしてる子ども達はどうしてるのかな?」
「学校ではどんどん先に進んでいますが、ここの子達とは幼児期の環境が異なりますので物足りなさを感じる子もいるようです。
 パソコンで学習出来る環境を整えている親も多いのですよ。」
「近衛隊のメンバーは優秀な人が多いからな。
 ジェシカを学校に通わせるとなると警備の問題も有る、宮殿内に学校を作るのはどうだろう?」
「近衛隊や大統領親衛隊の子どもだけでそれなりの人数になっています。
 宮殿エリアが今のペースで拡大して行くのであれば学校が有っても悪く無いでしょう。
 彼らが通ってる学校との交流は残したいですが。」
「それは必用だな、学校の方は詩織さまと相談してみるよ。
 それで、ジェシカは理科について学び考える時はドイツ語になるのか?」
「ドイツ語から英語に訳せそうな人が居ませんから、彼女がパソコンを使いこなせる様になるまではそうなるでしょう。
 私は勝者の余韻に浸りながら、ドイツ語だけでジェシカとの時間を楽しむことになりそうです。」
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