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近衛予備隊-352 [高校生バトル-78]

 シャルロットが心配したのは相手が子どもであっても、つい論理的な難しい話をしてしまう自分の癖を知っているから。
 さすがに我が子は幼児で今まで難しい話はして来なかったつもりだが、話の流れから自分がジェシカを戸惑わせる様な話をしないかと危惧したのだ。
 そんなことを意識して我が子と向き合う。

「ジェシカは色々な言葉を学んでいるが、減らしても良いんだぞ。」
「減らす?」
「英語と日本語は外せないが、他の言葉は覚えなくても困らないだろ。
 逆に色々な言葉を学ぶことで、英語と日本語が上手にならかったら残念かも。」
「大丈夫よ、英語と日本語は本を読める様になって来たし書く練習も始めたの、今度パパにお手紙書くけど、パパには日本語でも良いのでしょ?」
「ああ、構わない、今まではジェシカが混乱しない様に英語だけで話し掛けていたのだからな。
 ジェシカが弟や妹と話す時はどうしてるんだ?」
「近くにいる大人に合わせてるわ、急に言葉が変わってもそんなに困らないと思うけど、日本語の分からないスタッフもいるから。」
「気にしてくれてるのだな。」
「大統領の子どもだからそれぐらいはね。」
「えっ、大統領の子どもだからなんて話は誰がするんだ?」
「大人達はみんなしてるよ。」
「そんなことは気にしなくて良いのだがな。」
「お話の中のお姫様は王様の娘でしょ、でもパパが詩織さまの跡を継いで王様になっても私はお姫さまにはなれないの。
 でも王家に相応しい人に成れたら、パパが王子でも私がお姫様になれるのでしょ。」
「そこまで教えられているのか、でも大変だぞ。」
「知ってる、パパが尊敬されてるのは沢山学んで沢山お仕事したから、でも、私にも出来るよね?」
「そうだな、それで色々な国の言葉を覚えようと思ったのか?」
「ううん、面白かったからだけ。」
「そうなのか、スペイン語はどの程度理解出来てるんだ?」
「まだ四歳児レベルだと言われてるけど、始めたのが五歳だから上出来でしょ。」
「そうか、実を言うと普通の子どもが覚える言葉は一つだけなんだって知ってたか?」
「でも、この国の子ども達は親から教えられる言葉の他に英語を覚えるのでしょ?」
「ああ、確かにそうだな…。」
「でも、国の言葉は簡単で、冷蔵庫やエアコンとかは英語をそのまま使っている、多くを学ぶには適さない言葉だから、私達は英語と日本語だったのよね?」
「はは、ジェシカは適さないなんて言葉も使えてしまうんだ。
 少し安心したが、困ってることとか無いのか?」
「そうね、困ってはいないけど、宮殿エリアの外に行ってみたいかな。」
「そうだな、そろそろ…、大統領の娘は悪い人に狙われ易くてな、警備の人と相談してみるよ。」
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