SSブログ

近衛予備隊-351 [高校生バトル-78]

 俺達はジェシカが多言語に接すると言っても幼児期のお遊びに過ぎないと判断した…。

「ジェシカに自分の母国語を教えようしてる連中はどうだ?」
「それぞれ彼女との話題に工夫を凝らしてるわよ、母国の代表になったかの様に緊張してる人もいるけど。」
「ジェシカは?」
「覚えた単語について私達に話す時は英語と紐付けられているし、ベビーシッターと話してる時は日本語と、今は知らない言葉に接するのが楽しいみたいで遊びの範疇ね。」
「彼女なりに整理出来ているのかな?」
「多分彼女なりのペースでね。
 一つの言語で教えられた単語が他の言語に置き換えられないと、英語で何と言うのか訊いてから日本語で確認してるのだけど、その後は気分次第みたいなの。
 言語間の単語に生じる微妙な違いを幼児に解こうとした愚か者がいたけど、ジェシカに冷たくあしらわれていたわ。」
「はは、女王様の貫禄か。」
「そうね、このところ取り巻きが増えてるでしょ、何とか自分達の言語を理解して貰おうと下手に出てる大人が悪い影響を与えなければ良いのだけど。」
「言語に関しては流石に多過ぎるし、ジェシカが王家の一員では無いことを忘れてる人もいるのなら、そろそろ介入すべきかもな。」
「大統領から命令するの?」
「英語、日本語以外に六つの言語だろ、そろそろ飽きて来たり面倒に感じてる言語はないのか?」
「そうね、教えてくれる人に彼女が魅力を感じなかった言語は、すでに敗退しかけてるわ。
 何を話してるのか分からなくても見てて分かるのよ、教える側に余裕が無いことをジェシカが感じてることとかね。」
「う~ん…、そう言う状況なら判断はジェシカに任せてみるか?」
「判断?」
「理由はどうであれ、合計八つの言語と向き合って行くのか減らして行くのかは我々が判断すべきでは無いと思う、彼らは言語学習だけでなく算数や理科の基礎を教えてくれているのだろ。」
「ええ、少なくともジェシカの知的好奇心を満たしてくれてると思うわ。」
「一度ジェシカと話し合ってみるよ。」
「それは嬉しいけど、まだ幼児なのは日頃の触れ合いで分かっているよね?」
「勿論さ。」
「話し合うとなると、王立高等学校の生徒と同じな質問をしそうだけど、父親と幼児なのだからね。」
nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。