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近衛予備隊-350 [高校生バトル-77]

「我が国では英語学習が必須になりつつ有るのですが。」
「日本で英語を学習しても使う機会が少ないから身に付きにくいのよ。
 幼児期に英語を学習させてもその後の環境を整えないと、大して意味の無いものになってしまう、小学生の英語教室もね。
 この国では英語で他人と会話し普通に使えることを目標にしているし、実習を通して実際に使ってもいるでしょ。
 そんな英語教育環境より劣る英語学習にお金を掛けてるのよ。」
「そもそも、使って慣れて身に付けるのが語学だと思うのですが。」
「ええ、使う環境のないまま英語教室に通っても、という話なのだけどね。
 母国語の他に英語と日本語をマスターしているジョンからしたら、笑えるレベルにお金を掛けているのよ。」
「母国語は使う機会が少ないので少々怪しくなっていますが、元々語彙が少なくて。」
「だから、ジョンの子ども達は英語と日本語にしたのよね、問題なくバイリンガルになれそうなの?」
「始めはどうなることかと思っていましたが、一番上の子は英語と日本語を完全に使い分けられていて、語彙が増えて来ました。
 詩織に言われた通り自分達との会話は英語のみ、決して日本語で話しかけない様にしています。
 ベビーシッターは全員日本語のみで、一度ルーシーが日本語で話し掛けたことが有るのですが、戸惑い混乱しましたので、それからは特に気を付けています。」
「彼らと接する機会の有りそうな全員に英語か日本語かどちらかだけにして、積極的に話しかける様にお願いしておいたのだけど、どう?」
「はい、その成果か思わぬ言葉が出て来て驚くことも有ります。
 脳に対して良い刺激になっているのでしょう。」
「子ども達は単純に倍の単語を覚えているのかしら?」
「みたいですね、英語と日本語、それぞれ同年代の子達と変わらないレベルだと聞いています。
 ただ、母国語で考える力を養ってからで無いと複数の言語で混乱すると聞いたのですが。」
「二か国語を同時だと、それぞれの言語で考える力が養われるのでは無いかしら。
 確かに考える力が充分出来てない幼少期に日常使う言語が突然変わってしまうのは危険だけど、二か国語が普通に飛び交ってる環境なのだから問題ないと思うわよ、子ども達はクリアしてるのでしょ?」
「ええ、ただ一番上の子は英語と日本語以外の言語にも興味を示していまして。」
「へ~、他の言語にはどんな形でアプローチしてるの?」
「近衛隊の人達に何語が話せるのか訊き、挨拶とかを教えて貰っているそうです。」
「本人がトリリンガル以上を目指してるとか?」
「そんな意識はなく興味を持ったことに対する遊びの延長だとは思うのですが、近衛隊の数名から母国語で接する許可を求められました。」
「許可したの?」
「ええ、特に問題は無さそうですし、それぞれが子どもの興味を引くテーマを考えてくれていましたので…、彼らも忙しいでしょうから、どうなるか分かりませんが。」
「ちょっと面白そうね、忙しいなんて近衛隊メンバーに有ってはならないことだから、調整して誰が自分の母国語を彼女により教えられるか、競って貰いましょうか。」
「えっ、ジェシカは何か国語を教えられることになるのです?」
「許可を求めて来たのは数名なのだから大丈夫でしょ、ジェシカの興味を引くテーマで競って貰うことで何かが見えて来るかもね。
 興味が続かなかった言語は忘れてしまうでしょうから問題ないでしょう。」
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