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近衛予備隊-349 [高校生バトル-77]

「日本には教育とお金の問題が色々有ってね。
 お金に余裕が有れば親の見栄だけで幼児期からでも、高額な教育プログラムを受けさせたりすれば良いのだけど、そこまでの収入の無い人がそれに引っ張られ無理するのよ。」
「高額と言うことはそれだけ効果的なのですね?」
「それが良く分からないのよ。
 例えば足し算引き算を他の子より凄く早く覚えられたして、その過程が脳に対して多少良い刺激になるとしても、小学生になったら他の子とあまり変わらないとか。
 早く覚えても足し算引き算に違いは無いでしょ。
 十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば只の人、なんてことわざが有るのだけど、人より早く覚えられただけで、特別な才能の無かった人が当て嵌ると思うの、逆に基礎計算を覚えるのが他の人より遅くても、才能を活かして活躍する人は幾らでもいるのでは無いかしら。」
「何となく分かります。」
「それでも、他の子より早くと教育プログラムを売り込むのよ。」
「商売としてですか?」
「建前は子どもの為に、だけどね。
 それと、日本では習い事が色々有って、私もピアノを習ってたの。」
「確かに、お上手です。」
「あんなのは上手の内に入らないのよ、音大やプロを目指していた訳ではないから、それより習い事とは少し違うのだけど、YouTubeのミュージカルに出演する為にしてた歌の練習は充実していたかな。」
「ピアノや歌のレッスン料は高額だったのですか?」
「父の収入を考えたら凄く負担になる額では無かったみたい。
 ただね、習い事の中には金銭面だけでなく親の負担が大きくなるのも有り、そこからプロを目指そうものなら大変なことに、経済的に余裕が有ってプロを断念しても問題のない家庭でないと取り組んではダメみたいなスポーツとか有るのよ。」
「そこまでして子どもの為にお金を使うのですか?」
「親子に無理の無いビジョンが有れば問題無い、子どもの可能性を大切にしている人は多いし、スポーツや芸術の分野では、そうやって成功を掴み取った人もいるからね。
 ただ、お金を掛けたからと言って必ずしも成功するとは限らない、例え失敗してもその経験を活かして別の分野で成功出来れば良いのだけど。」
「その辺りに問題が有るのですね。」
「上を目指す人達は覚悟の上だと思う。
 ただね、普通の習い事でも、家計に占める子どもの教育費を冷静に判断出来ない人がいるのが事実なの、必要性の低い幼児向けの英語教室に先のことを考えないで通わせてみたりとかね。」
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