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近衛予備隊-343 [高校生バトル-77]

「日本の教育制度について教えて貰ったことは有るのですが今一つ分かっていません。」
「参考にする必要は無いですよ、ジョン王子が近衛予備隊で経験なされたことは教育の理想かも知れません、その結果として、誰からも尊敬される若き大統領が誕生したのですから。」
「教育の理想は一個人の成長だけでは語れないと思うのですが。」
「詩織さまがこの国の指導者としてジョン王子を育てようとされたのは間違いのないことで、それは王子に高い資質を見出されたからでしょう。
 ですが王子程の素養が無くとも近衛予備隊や王立高等学校の子達も素敵に成長しています。」
「我が国の教育制度はどうです?」
「探せば改善点が出て来るでしょうが、今はこの国にとってのベストだと思います。
 社会の中で生きて行く為の知識を優先的に学習、職業実習を重視していることはとても良いです。
 大学を立ち上げる話が出てから幾つかの国立学校を見て来たのですが、そこで学んでいる子達の人生を考えたら無理も無駄もないと感じました。
 うちの長女は十二歳で王立高等学校に入りましたが、先輩方が姉の様に接してくれるのが嬉しいと言いつつ、日本の十二歳が取り組まないレベルの学習と向き合い自分を高めています。
 自分のペースで先へ進めるのが楽しいそうで学力を伸ばしてましてね。」
「そこまでに苦労は無かったのですか?」
「そうですね、日本語しか分からない状態で移住しましたので始めは戸惑ったみたいです。
 それでも英語教室で、母国語が違っても英語を学ぶ他の子とコミュニケーションを取る内に自然と馴染み、英語力ランクアップ試験をゲーム感覚でクリアするのが楽しかったそうです。」
「やはり遺伝的に能力が高かったのですね。」
「う~ん…、その辺りは今後この国の教育にとって課題になるかも知れません、私達夫婦は幼児期の教育を意識して子ども達と接して来ましたので。」
「幼児期ですか…。」
「幼児期に知的好奇心を満足させることは子どもの成長に大きく影響すると考えています。」
「我が国ではあまり考えられていないことですが。」
「それでも、ジョン王子の育った部落では意識的に本の読み聞かせがなされていたと聞いています、他の部落には本すら無かったのでは?」
「それは…、幼児期の環境がその後の成長に影響すると言うことでしょうか?」
「私は幼児教育の専門家ではなく、ただの父親ですが、そう認識していました。」
「そんな意識を持ってる親はこの国に少ないと思います…。」
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