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近衛予備隊-341 [高校生バトル-77]

 香奈は王立大学開学までの期間に様々な食事会を提案しスケジュールを組むことに成功した。
 そして日本のアニメに出て来そうなメイド姿のコスプレをし給仕を手伝いながらでは有るが食事会に参加、美味しい食事目当てでは無く食事会で様々な人達と触れ合うことが目的だったみたいだ。
 今回は工学部発電研究室のメンバーと。

「加藤先生はここの開発が始まった当初に移住されて、小規模発電所の建設に取り組まれて来たのですが、今回の大学構想は如何です?」
「良いと思います、近衛予備隊時代から隊員に手伝って貰いながら教えて来ましたが、今までの教え子達は現場を目指す道しか有りませんでしたので。」
「先生としては手間が増えるだけではないのですか?」
「新たな組織造りは若い子達が知恵を出し合っていますので私は見守るだけです。
 今後も電力需要は伸びる一方ですから、それを支える為にも彼らの力は必用です。」
「遠江大学の活動から我が国に来て下さったと理解していますが、日本は小規模水力発電に適した環境だと思います、それでも来て下さったのには何か訳が有ったのですか?」
「ええ、日本では実験的に発電所を建設したくても、予算面だけでなく行政手続きが煩雑なのです。
 その点ここでは電力関連の優先度が高かったことも有り、日本で一基を設置する労力で十基を稼働させられるぐらいでした。
 その実証実験を経てより効率的な水力発電が可能になりつつ有るのです。」
「そこまでの差が有ったのですか?」
「ええ、電灯を少し灯す程度の簡易型ではなく実用出来るレベルとなると、日本ではややこしい問題が色々有るのです。
 ここでは電力の安定供給を目指していると言うだけで、皆さんとても協力的でしたので。」
「停電が日常的に起きていましたからね。」
「今、学んでいる王立高等学校の子達は停電の無い生活が当たり前になっていますので、電気の使えない暮らしを想像する様に話しています。」
「日本は長年停電が殆どない状態を維持し続けて来たのですよね?」
「ええ、先人達の多大な労苦による成果です。
 ただ、原油を輸入に頼り切るしかない事情が有り、より安定を求めた原子力には環境問題が。
 原子力発電の稼働に反対している人達は、火力発電による温暖化の影響まで考えているのかどうか分かりませんが。
 今は円安と原油高などにより電力料金が上がっていたり、猛暑や寒波によって電力需要が伸びると、稼働を中止していた古い火力発電所を再稼働させる必要があって結構大変なのですよ。」
「我が国はどうでしょう?」
「ダムが完成すれば、膨大な電力を消費する工場を誘致しない限り水力発電と火力発電、太陽光発電の組み合わせで問題なく…、無駄に電力を消費する家電製品が流行したら分かりませんが、家電メーカーは節電を重視していますので。」
「エアコンの普及は計算に入っていたのですね?」
「ええ、日本と違って冷房専用で比較的安価、詩織さまによる改革が進めば個人で購入する人が増えるだろうと思っていました、結構な売り上げになってるのでは有りませんか?」
「電力供給が安定して一番売れたのは冷蔵庫ですが、その次に国民が購入を目指した高額家電はエアコン、次の目標は自家用車になるのですが、まだ中古車が売れ始めた段階で、電気自動車が普及し始めても大丈夫でしょうか?」
「充電を夜間中心に行って貰う形が整えば問題ないでしょう。
 むしろ夜間に電力を使って貰えたら効率が上がるのですよ。」
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