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近衛予備隊-339 [高校生バトル-76]

 王立大学のスタートの対して海外からの取材が有ったのは、その独自性に有るそうだが、自分達はそもそも大学を知らないし、近衛予備隊が他国の学校とは違う教育を行っていたことも、それを教えられてから知ったこと。
 独自性と言われても、海外の教育制度を調べて何となく分かった程度なのだ。
 王立大学設立の各種調整担当は元日本からの留学生。

「香奈、スケジュールに変更はないのだね?」
「はい、小さく始めますので、大統領閣下の開学宣言だけで大学が始まります。」
「いや、王立大学だからそこは王子だよ。」
「う~ん、王子の肩書と大統領の肩書とではどちらが上とか有るのですか?」
「そこは微妙だが、王国主催行事での肩書は大統領ではなく王子が自然だろ。」
「分かりました、開学の式典ではジョン王子とさせて頂きます。」
「ここまで特に問題は無いのかな?」
「そうですね、小さく始めるので問題が出て来るとしたら開学後だと思います。
 組織と名称が変更されるだけで活動を継続する学部が殆どですから心配はしていませんが。」
「組織的には教育学部が大変なのかな?」
「そうですね、王国騎士団で教育に携わっておられる方々は、仕事の合間を縫ってとなりますので、ネットシステムの改良を試みて貰っています。
 音楽関係は音楽学部と教育学部音楽教育学科になります、それでも人数が多い訳では有りませんし、音大からの特別研修生は状況を理解した上で取り組んでくれています。」
「彼らは王立大学の一員となってメリットは有るのかな?」
「彼ら次第でしょう、王立大学音楽学部の名を高めることに成功すれば、それはメリットになるでしょう、出来なければ…、しかし世界的に名の知れた存在になるまでには、上手く行ったとしても何年も掛かることです。」
「学校の伝統と言うことかな、君も知っての通り我が国は伝統とは無縁でね、その辺りはどうなんだろう?」
「新設校には新設校の良さが有ります、何と言ってもしがらみが有りませんから。」
「その良さを活かして行けると思う?」
「この国は壮大な教育実験を進め成功していると感じています。
 日本で長期間、型に嵌った教育が行われて来た弊害が大きくなっていることを、この国での教育実習を通して、強く感じました。
 何の為の教育なのか、その根本を忘れている教師が少なからずいるのですよ。」
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