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近衛予備隊-337 [高校生バトル-76]

 我が共和国は詩織さまの実験的取り組みもあり、随分個性的な国に成った。
 共和国内王国は色々な意味で拡大、独裁政治と言いながらも平和を前面に出し国内改革は着実に進んでいる。
 大統領が教祖となって設立された教団は、まだ盛り上がりに欠けているものの海外からも注目され取材を受けることも。
 学校制度はより良いシステムを目指し日々検討中で大学設立準備も進行中だ。
 各国のマスコミが取り上げたくなるネタを日々提供していることが、そのまま宣伝となり海外からの観光客は増え続けている。

「詩織、我らが『平和な市民教団』は海外から入信したいと言う声が増えていまして対応を検討してるのですがどう思います?」
「勝手にすれば良いのよ、日本の神社は誰でも受け入れているの、神社を守る氏子の存在は有るけど、基本的に信者と言う発想は感じられないのよ。」
「自分が知ってる宗教団体の中では異質だと思いますが、我々の教団もそれに倣っての活動です。
 人を信者として束縛しないのが良い所だと思っていたのですが、詩織さまとの繋がりを持ちたい人は少なからずいるようで。」
「その気持ちを大切にしたいのね?」
「どうせなら我々の活動に貢献して貰いたいと言う下心が有ります。」
「そうね、それは良い発想だわ、教団のグッズを通販で販売するだけでなく、教団としてボランティアを募集ってどう?」
「そうですね、実習に慣れた教育実習生はボランティアの様な存在になっています、音楽大学関連の特別研修生達もです。
 我が国で足りてない人材を補強出来ると良いのですが。」
「教育実習生達は国立学校に貢献してくれてるの?」
「ええ、短期であまり成長出来ないまま帰国する人もいますが、多くの人は子ども達とがっつり触れ合って何が必要かを考えてくれるそうで。
 既に二十名程、教育実習生から国立学校の職員として正式採用しました。
 数学や理科の授業を中心に活動して貰っています。」
「英語で数学や理科を教える壁を乗り越えられた人達なのね。
 こちらの狙い通りではあるけど、彼らに給料面での不満は無いのかしら?」
「ええ、日本で就職したらもっと高給かと思ったのですが、住居などの生活費を考えたらそこまでの差は無いそうで、日本での支出に於ける住居費の割合には驚かされました。」
「都市部への人口集中の結果なのよね。
 ここの住環境は彼らにとってどうなのかしら、王宮ほどの設備は整っていないのでしょ。」
「彼らが長期滞在を決意したのは住民と良好な関係を築けたからです。
 住民たちが職員寮の設備を良くしているのは、先々地元の人と結婚させたいとか、我々の改革によって生活に余裕が出来、知識を持つ人を敬う気持ちが芽生えているのかも知れません。
 日本から来た彼らが更なる改革の原動力になってくれると考え、住環境を整えているのですよ。」
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