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近衛予備隊-335 [高校生バトル-76]

 我々が市民の意識改革を目指して立ち上げた『平和な市民教団』に階級制度を設けることとし『市民』から『愛と正義の市民』に至るまで十段階の階級を用意してみたのだが…。

「ジョン、試験と面接によって昇級するとして、昇級に全く興味の無い人もいるだろうし、元々シンボルが弱い気もするのよ。」
「シンボルですか?」
「日本には神道と仏教が共存して来た歴史が有るの、知ってるでしょ。
 多くの神社を持つ神道だけど、そこが管理するお墓はとても少なくて葬儀は仏教まかせ。
 家を建てる時は地鎮祭と言って工事が無事に終わる様その土地を守る氏神様にお願いする儀式を行ったりするのが神道。
 釈迦の教えに端を発する仏教には、それを伝えると言う役目が有るのだけど、神道では神さまにお願いするだけの一面が有ってね。」
「お願いするだけなのですか?」
「私も詳しくないのだけど、多分神に対して誓うという側面も有ると思うの。
 誓うのなら他の宗教と共存し易いと思わない?」
「誓うと言う行為を行っている宗教団体が有るのか分かりませんが、前向きな誓いであれば市民の意識を高める意味合いはありますね。」
「でね、宗教の多くは偶像を用意し偶像崇拝の形をとっているでしょ、その偶像に対する信者の想いは様々だろうけど、偶像が有ることに意味が有ると思うの。
 唯物論者の私が論理的に信仰を考えてみた結果だけどね。」
「詩織の写真やグッズがその役割を果たすと考えていましたが…。」
「偶像に対する向き合い方を説明して行く必要が有るのよ。
 神社で願い事をするにしても、そこに神にまつわる何かが無いと気持ちが込めにくいと思う。
 『平和な市民教団』の信者には、自分の目標や想いを確認する場が有って良いと思うし、その目標に到達する方法を考える、その手助けをすることもの教団の役割に加えて良いと思わない?」
「それは悪く無いですね。」
「そんな活動を通して『愛と正義の市民』を目指して貰うのなら、もう少し盛り上がると思うのよ。」
「グッズは売れてますが教団の趣旨とはあまり関係無い様です。
 小さな目標を偶像に対して日々誓う、そんな宗教ならもう少し身近に感じて貰えるのかも知れません。」
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