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近衛予備隊-334 [高校生バトル-76]

 共和国の大統領が教祖になって王国の国教を開く。
 新たな宗教の始まりに詩織さまが絡んでなかったら変な感じになっただろう。
 だが冠婚葬祭を取り行わず、王国として人を育てる方針の確認でも有ると話したからか、予想以上に反発はなかった。
 人々は詩織さまを崇めたいと願っていたのかも知れない。
 信者になって寄付する必要は無く、詩織さまからの教えを学んで欲しいと宣言。

「子ども達は学校で学んでるし、社員には社員教育の一環として伝えて来たことだけど、改めて王家の教えとしたからか、若干公共マナーが改善されたみたいね。」
「若干なのか、シャルロット、身に付いた行動パターンは簡単には変えられないのかな。」
「それでも、続けて行けば少しずつでも良くなって行くでしょう、ただ、内容がまともだから新興宗教の様なインパクトが無いのも事実なのよね。
 『教え』は強制するものでは無いのが良い所なのだけど、一般的な宗教では良い行いをすれば天国へ、悪いことをすれば地獄へとか有るでしょ。
 そう言った話が無いと本当の意味では浸透し切らない気がするの。」
「う~ん…、詩織さまに対して慕う気持ちのある人でも、『教え』を学び自身の行動を見直すまでには至らないみたいだものな。」
「学んだ先に何が有るのかも見えないでしょ。
 私達は社会改革を考えてるけど、一般の国民は取り敢えず自分の生活が良ければ社会全体のことまで考えているとは思えない。
 詩織さまから強制されたら動くかもしれないけど、そんなことはなさらないでしょう。」
「国民の意識改革を進めるのは難しいな。」
「私達は国民の民度を上げたいと考えているのだけど、国民はその必要性を感じて無いのよね。」
「必要性か、確かに無いのかもな…。
 彼らが必要性を感じられないのなら名誉を与えると言うのはどうだろう。
 人の人格を計ることは難しいが、詩織さまの考えをどの程度理解し実践しているかで階級を判断、年齢に関係なく昇級するシステム。
「階級社会は危うさがあると思うのだけど。」
「階級が上がることで社会的地位の向上に繋がる可能性は有ってもそれ以上のことはなく、与えられるのは名誉だけにしておけばどうだ。」
「昇級の審査が難しそうだけど。」
「試しに始めて様子を見ると言うのはどうかな?」
「そうね、教祖で有る大統領の一言でどうにでもなるレベルのことだから…、ちょっとどうなるのか見てみたい気もするわ。」
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