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近衛予備隊-331 [高校生バトル-76]

「詩織、勝手に詩織を利用して布教活動をしていた宗教団体は解散させました。
 寄付金は全額とは行きませんでしたが寄付した人に返金しまして。」
「宗教弾圧だとか反発されなかったの?」
「金儲けに成功した海外の新興宗教を真似ただけのもので、そこまでの根性は無かったみたいです。
 今後は国による審査を通った団体だけが寄付金集めを出来る形にします。
 登録されて無い団体や個人は、例えそれが慈善事業で有ったとしても審査を通らずに寄付を募ったら処罰の対象になります。
 怪しげな宗教団体や慈善団体はこの国で成り立たなくしたいと考えまして。」
「そうよね、慈善活動を装って活動している団体でも、善意を頼りに集めたお金のほとんどが団体職員の給料に充てられ、ひどい所だと名前だけの理事が高額な給料を受け取ってるのだとか…。
 お金に余裕の有る人が学校などに寄付をするのであれば国として管理し、寄付者に対しては税金の軽減などの見返りを考えても良いわね。」
「ええ、国による寄付行為の管理は検討したいです。
 自分達が私財を学校など国の為に使っていると知った人から、自分もと言う問い合わせが来ていまして、今までは個別に対応していたのです。」
「ただずっとこの国で細々と宗教活動をして来た人達は、現金取引が無くなり信者のポケットから小銭が無くなったことで収入が減っているのでしょ。」
「今こそ彼らの存在意義が問われているのかも知れません。
 信者との関係が強固な団体は問題なく運営出来ていると聞いています。」
「それは信仰心によるものなのかしら?」
「それは…、信仰心が本当に有るのなら、もっと真面目に生活しても良さそうなものです。
 信仰心と葬儀や墓の管理とは別問題なのかも知れません、死者に対する想いは信仰と別問題かも。」
「そうね…、死者を弔って貰う存在としての宗教団体、元々多くの宗教は人の死に対する感情と密接に関わって来た。
 私は唯物論者だから、人の死をネタに稼いでる宗教団体にはあまり興味がないのだけど、人としての生き方を説いている部分は参考にして来たのよ。」
「唯物論者だから、自身の宗教団体を立ち上げないのですか?」
「そもそも宗教団体を立ち上げる意味はないと思っていたのだけど、死後の世界はと問われた時に、誰にも検証出来ないからと言って嘘をでっち上げる気はなれないの、死んだら脳の機能が停止して記憶は一切なくなり無に帰す、火葬後の骨にシンボル的な価値を見出すことは否定しないけど、ただの骨に執着してる人にはついて行けないのよ。
 そんな私が神だと言われてもね。」
「しかし、普通の人間に対して鳥たちはあのような行動はとりません。」
「たまたま鳥に好かれただけで、それが人間の役に立ってる訳でも無いでしょ。」
「いえいえ、詩織が鳥と戯れる映像は多くの人の心を癒しています。
 人々は宗教団体に寄付するのと同じ気持ちで映像作品を買い求めているのではないかと。」
「そんなに売れてるの?」
「詩織はお小遣いの確認を怠っていませんか?」
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