SSブログ

近衛予備隊-330 [高校生バトル-75]

「ただ、我が校と同様、清掃活動を始めた学校の中には宗教団体が絡んで来た所がありまして。
 掃除を手伝ってくれるだけなら問題はないのですが、信者を増やそうと言葉巧みに。」
「善意を装って拡大を目指しているのか…、取り敢えず、学校関係者への布教活動を禁止するべきかな?」
「それはお願いしたいですが、彼らが厄介なのは詩織さまを自分達の教義に取り込んで布教活動に利用してることなのです、詩織さまを讃えながら勧誘されるとつい入信してしまい、寄付を求められるのだとか。」
「ふむ、そこは見せしめとして潰そう、詩織さまに無断で行ってることは間違いないのだから即逮捕で良いだろう、大統領親衛隊に動いて貰うから情報をくれるか。」
「は、はい。」

 逮捕に関する指示と同時に、大統領令で詩織さまの名を出しての宗教活動を一切禁止する、その準備を進めること、また新興宗教がどのように金儲けを企んでいるのか国からの通達として広める様にと指示するのに時間は掛からなかった。

「 ジョン王子は何時もこの様に指示を出されているのですか?」
「まあ、怪しげな新興宗教に対して策を講じるべきとの話は大統領親衛隊の幹部とも話していたからね。
 奴らは詩織さまを勝手に利用してるのだから逮捕出来る、同様の事例が発生しない様に大統領令、そのついでに国民に対しての注意喚起、全て彼に任せておけば安心なんだ。」
「ジョン王子が時間に追われていない理由が分かりました。」
「私だけではない、任せた彼も、仕事の割り振りをした後は報告を受けながら、じっくりと新興宗教対策を考えているよ。」
「それが組織なのですね。
 我らが女神さまは宗教的活動をなされないのでしょうか?」
「詩織さまは自身を女神だとは思っておられないからな。
 詩織さまに対しては信仰心に近い感情を多くの人達が持ってるとは思う、女王からのお言葉を真剣に聞き考える人は多いだろ。」
「そう考えると宗教ってなんだろうと考えてしまいます、葬儀を司る役目を担っているとは思うのですが。」
「良い形で良い宗教が浸透していたら、治安は悪くならなかっただろうし、公共のマナーももう少しマシだったのかもな。」
「その代わりを大統領が担って行こうとされているのでしょうか?」
「科学的論理的に国の在るべき姿を提示したら、それに賛同してくれる人が大勢いるが、良く分からずに応援してくれてる人も少なく無い。
 大きな組織には、そんな宗教的な側面が有るとは思うよ。」
nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。