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近衛予備隊-329 [高校生バトル-75]

「不正に対して不安が有るのですか?」
「特に心配している訳ではないのだが、国会議員と大統領親衛隊は公務員に不正を起こさせないシステムを検討してくれてる、不正を考える連中は隙を突こうとするからな。」
「過去の経験を踏まえて新しいシステムを?」
「ああ、どこの国でも起こってることだから完全に無くすのは難しいだろう。
 それでも現金決済を完全に無くしたから、政府の入出金が会社のシステムで把握出来る。」
「膨大なデータ量だと思いますが。」
「AIで監視していればある程度チェック出来るんだ、でもそれは不正行為を行ってからのこと、出来れば不正行為を行えない環境を作り、不正行為を行おうとは考えない職員を育成したい。」
「その為には?」
「職員の意識を更に高めるしかないかな。
 無駄を無くし、職員の給料を上げてはいるが、やはり小さい頃の教育が影響してる様でね。
 職員に対し定期的に意識改革の研修を受けて貰ってはいるが、拾った財布は自分の物といった感覚はなかなか抜けないんだ。」
「それが我が国の国民性だと悲しくなりますが、確かにうちの親もそんな感じで。
 でも私達は誇りある近衛予備隊の隊員となって、人としての教育を受けて来ました。
 今後政府機関は職員として王立高等学校の生徒を採用して行くのですから、それだけでも年々良くなって行くのでは有りませんか?」
「そうであって欲しいものだな。
 ジェーンの学校では、子ども達に対して犯罪に関する教育はどうしてる?」
「殺人や窃盗を犯すとどうなるのかは理解させていますが、難しいのはやはりマナー教育です。
 ジョン王子が観光立国を打ち立て、国を挙げて屋外マナーの強化を図っていますが、ゴミを道路に捨てないなどのマナー教育は親に問題が有ります。
 観光に関係する仕事をしている人達のマナーは随分向上しているのですが、その他の人はあまり気にして無くて当然子ども達も、国民性なのでしょうか…、優等生クラスの子達はしっかりマナーを考えてくれてるのですが。」
「対策は?」
「『公共マナー』を学習する延長で街の掃除に取り組んで貰っています。
 捨てられたゴミが放置されたままだとどうなってしまうのかを教えながらですが、町の掃除を通して子ども達と社会との関係が強化されるかも知れません。
 学習の一環として掃除に取り組んだ子が、学習を終えた後も手伝ってくれるのですが、そこに優等生クラスのリーダーが関わってくれていまして。」
「自主的に?」
「はい、リーダーの提案で一度思いっきり綺麗にしたのです。
 その状態は維持出来なかったのですが、自分達の街が綺麗であることの意味を感じてくれた子が手伝ったり、友達が学習として掃除してるのを手伝ったり、最近になって大人が手伝ってくれることも。
 手伝いはまだ少数で地道な活動ですが続けて行きたいです。」
「学校が無かったら、そしてジェーンが校長で無かったら、町は汚いままなのだろうな。」
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