SSブログ

近衛予備隊-328 [高校生バトル-75]

「国にとっての損失か、その通りだ。
 今は利益生み出さない子どもで有っても、育て方を誤れば国にとって大きな損失になるよな。」
「日本からの教育実習生に話したら、日本にはそんな意識が全くないと話していました。」
「ああ、少子化が進んでるのに無策に近いと詩織さまも話しておられたよ、大人達は国の将来に興味が無いのだとか、若者が気持ち良く学び働けない環境は反面教師として研究すべきだそうだ。
 我々には手が届かない高度な教育をしているのに、研究者が薄給で海外へ逃げ出すと言った問題も有るそうでね。」
「まだ人材を育てられる環境には程遠い我が国ですが、有能な人材を流出させない、むしろ優秀な人には来て貰いたいです。」
「我が社では、ここへの転属から定住を決意した外国人がそれなりに居るって知ってた?」
「言われてみれば、王国では自国へ帰る気の無さそうな人達ばかりだった様な…。」
「詩織さまは、それも狙って王国の整備を急いでおられたのだよ。
 住みたくなる王国、暑過ぎず寒過ぎない環境に加え、整備された公園や娯楽施設、観光客が増えて騒々しくは有るが彼らの居住地区には入れないだろ。」
「私が暮らしていた寮もそのエリアに有りました。」
「村に宮殿や店が出来始めた頃は経済格差による恩恵も有ったのだけど、それが薄れつつ有る今でも彼らにとって魅力的な王国、そして彼らはこの国が更に良くなるようにと考えてくれている。」
「そんな彼らの為にも、子ども達を怪しげな政治団体や宗教団体に近付けたくないです。」
「景気が良くなって来たから、金儲け目当ての宗教団体が入って来て人の心の隙間を狙い始めているのだよな、法改正して社会福祉活動をしていない宗教団体は税率を高くするなどの案を練ってるところだが、今まで平和的に宗教活動をして来た団体との線引きが難しくてね。」
「大統領令で排除とは出来ないのですか?」
「信仰の自由はこの先も保障して行きたいのだよ、近衛隊メンバーや海外からの移住者たちが、その信仰している宗教によって不利益を被らない為にもね。」
「海外には恐ろしい宗教団体も有ると聞いていますがその辺りは?」
「今の所そこまで危険な団体は確認されていないが、布教活動を始めた新興宗教団体は大統領親衛隊が資金の流れなどのチェックを始めている。
 法の網を搔い潜ってでも国の将来にとって損失となる布教活動をするのなら、独裁者の後継者として動く必要が有る。
 大統領の私が気に入らないから排除と言う形を取らざるを得ないかも知れないのだが、そうした場合国民はどう感じると思う?」
「情報次第だと思います、情報戦に負けると色々不利益を被りますが、そうさせない為に例え小悪党レベルだったとしても王国騎士団が総力を挙げて押さえ込みます、その布教活動は終身刑の人達にして貰いましょう。
 気になって調べたのですが、人心を惑わし利益を得る宗教団体の行為は危険だと思うのです。」
「大統領親衛隊の総隊長も同じことを話してたよ、私が独裁者として動いても問題ないのかな?」
「そうですね、こういった案件でしたら問題にならないと思います。
 むしろ優柔不断な指導者と思われない毅然とした態度が必要かと。
 反政府組織が喜びそうな情報は私達で何とかしますよ。」
「君からそう言って貰えると心強い。
 国益に反する行為を行った、もしくは行おうとした者は厳罰に処す、こんな法律を成立させておけば警察官や裁判官も楽になるのかな?」
「はい、細かい部分は裁判官の裁量でどうとでもなるぐらいが調度良いかと。
 平和的独裁国家の利点を活かして頂きたいです。
 三権分立は学習しましたが、三権が国民を第一に考え不正を行わないのであれば、三者で協議して最良の法律を作る、それに沿って運営される国家は、例え独裁国家と言われようともこの国にとって最善のものになると思うのです。」
「不正が行われない前提でことを進められたら、法律をもっと単純に出来るのだがな。」
nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。