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近衛予備隊-325 [高校生バトル-75]

 学校で政治教育に中立性が求められるのは分かるが、詩織さまは独裁国家の方が効率が良いと考えておられる。
 その辺りを国立学校の現場では、どのように考え教えているのか気になったので、国立学校の校長を務める王国騎士団のジェーンを宮殿に招いた。

「ジェーン、理数系教科の強化は進みそうか?」
「どうでしょう、まずは私の学校で試してみるとかで、機材が搬入され日本からの映像を皆で見られる環境が整いつつあるのですが。」
「ジェーンは理数系の学習、どうだったの?」
「自分達に用意されていた内容は何とかクリア出来ましたが、技術者を目指せるレベルからは程遠かったと思います。」
「子ども達は?」
「算数の得意な子もいますが基本十五歳まで、選択教科として取り組む子もいますが、教えられることの限界は低いのが現状だと思っています。」
「その辺りの改善が出来ても結果が見えるまでには時間が掛かりそうだな。
 制度上の問題も有りそうだ。
 もう一つ気になってるのは政治に関係する教育なのだが、ジェーンの所ではどう?」
「義務教育では政治の仕組みを中心に教えています、難しい話は出来ませんが大統領がジョン王子で、給食を食べられる学校を作ってくれたということぐらいは小さい子でも知っています。
 歴史の選択授業では『戒厳令前』『戒厳令』『戒厳令後』『大統領がジョン王子に変わってから』と言った形で、その時々の政治と社会問題を学んで貰っています。
 『詩織さまと王国』『共和国と王国』だけでなく『アビュニス王国』や『遠江王国』のことも企業による国造りの参考例として取り上げています。」
「歴史の学習に取り組む子は多いの?」
「興味深い話ばかりですし、ジョン王子や大統領親衛隊の活躍などはドラマチック、大昔の話では有りませんので興味を持って取り組む子は多いです。」
「反政府組織に関する話は?」
「『戒厳令後』ではなぜそれが残ったのか『大統領がジョン王子に変わってから』では彼らが如何に頭の悪い人達なのかを説明し、学習の必要性を強調しています。
 ジョン王子の活躍は皆が前のめりになって話を聞いていまして。」
「一応政治団体は幾つか有るのだから、学校に於ける政治の中立性とかは考えたりしないの?」
「王子が作られた国立学校なのですよ、給食によって食生活が改善された子が多いですし、職業実習を通して自分の生活が良くなる可能性、それが見えて来た子達にとって英雄で有るジョン王子の話は正しく伝えて行かなくてはなりません。
 先進国に倣い教育の中立性を王国騎士団で話し合ったことも有るのですが、我々は詩織さまの王国や、ジョン王子による穏やかで優しい独裁政治を見て来ましたので。
 国会議員を身内で固めることが出来たのは、国民がジョン王子による独裁を望んでいるからです。
 ジョン王子の抵抗勢力が論理的な主張をしているのなら兎も角、彼らは子ども達ですら突っ込める様な自己矛盾を抱えている連中、それに気を使うなんて馬鹿げています。」
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