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近衛予備隊-324 [高校生バトル-75]

 自分にとって身近でないと社会に関することは、学習しテストで好成績を納めたとしても本当に理解しているのかは微妙な気がする。
 自分も村長になった時、今まで学習して来たことの意味が初めて分かったと感じたものだ。
 民主主義的選挙については今でも疑問だらけなぐらいで。
 社会のことを良く分かっていない人達が人気投票をして決める議員にどんな意味が有るのだろう。
 教育水準の低い我が国では尚更だ。
 だから詩織さまが企業を軸とした王政を試してみたいと思われたのは納得出来る。
 教育現場としては、共和国内王国がそれなりに力を持っているので、国の仕組みを子どもに教えるのはいささか厄介かもしれないが。

「子どもに政治を教え理解させる、詩織は出来ると思いますか?」
「そうね、言葉の上では覚えさせられたとしても本質的な理解までは簡単なことでは無いわね。
 でも、この国ではジョンが中心となって進めている改革が如何に素晴らしいものなのか、トコトン教えれば良いのだからまだマシだと思うわよ。
 日本の公教育は政治的に中立でなくてはならないから、学校では政府の活動を褒めても貶しても行けないの。
 だから政治の現状を理解しないまま高校を卒業する子が多く、政治に興味を持たないまま有権者になった人達は投票に行かない。
 まあ、投票に行く気が起きない様な候補者ばかりなのが理由だとも聞いてるけどね。」
「自分が近衛予備隊に居た頃は隊員同志でも政治ついて議論していました。
 そんな議論をする様に教官が指導して下さっていたと理解しています。」
「必要なことだものね、考えてみると日本では学力ばかりに目が行ってしまい社会人として身に付けておくべきことが色々疎かにされていると思うわ。」
「そうなのですか…。」
「巨額の利益を出した大企業が下請け企業に部品の値下げを要求するとか考えられないでしょ。
 物価が上がっても給料が上がらない底辺で働く人達の生活なんて考えられないのよ。
 そんな大企業のトップが日本を格差社会にし、一番お金の掛かる世代が節約ばかりを考えなくてはならない、当然消費が伸びないから経済は停滞したまま。
 それに比べ、この国は貧困対策にお金を使って来たから、お金が勢いよく回ってる。
 お金が回れば税収も増える、王国の収入は実質的に会社の利益だけど、それを国の為に再投資しているから税金と同じ様なことでしょ。
 共和国と王国とでお金を回し経済の活性化を進めている、だから改革は進められる。
 このことは、しっかり子ども達に教えて行かないとね。」
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