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近衛予備隊-323 [高校生バトル-75]

 反政府組織の動向については警備の関係も有り密に報告が入って来る。
 それによると武器を調達している組織が他の組織に手を組むことを持ち掛けてるとか。
 前大統領が大統領親衛隊に関しては予算を惜しまず装備を整えていたことを反政府組織の連中は理解していないので彼らの情報は筒抜けなのだ。

「詩織、反政府勢力の動向はしっかり確認出来ていますが、しばらくは注意して下さい。」
「王宮への砲撃とか有りそうなの?」
「監視体制は出来ていますが万が一と言うことも有りますので。」
「盗聴もしてるのでしょ、彼らがどんな話をしてるのか知りたいわね。」
「はい、彼らは現代の情報戦に関して全く無知だそうで、大統領親衛隊と相談しておきます。」
「まともな教育を受けて来なかった人達が、警護に関する高度な教育を受けて来た大統領親衛隊にどう立ち向かって来るのか見ものよね、親衛隊に油断はない?」
「と、思います、今回指揮をとっている隊長は親衛隊の一期で村長時代からの友人です。
 彼は取り敢えず反政府組織構成員全員を刑務所へ、リーダー格は小細工を弄してでも刑期を長引かせ、改革の邪魔はさせないと話してくれました。」
「ジョンと親衛隊の一期生は特別な関係なのね。」
「ええ、村長時代から話し合う機会が沢山有りましたので。
 彼らに対して国家改革を話したことで、自分の考えがまとまったとも言えます。
 随分年下の村長でしたのに友人として接してくれた彼は、戒厳令のドタバタが落ち着いてから様々な学習に取り組み、それが前大統領に認められて出世したのです。」
「ジョンが大統領になって喜んでくれたのでしょうね。」
「どうでしょう、警護に当たる時は、前大統領の時より数倍の緊張感が有ると話していました。」
「絶対守りたい大統領なのか…、彼らの思いに応える為にも教育制度の拡充は進めて行かないとね。
 ねえ、犯罪を犯させない教育はしてるとして、政治教育はどんな感じなの、王国の存在と民主主義の関係とか。」
「義務教育では国家と個人の関係を税金中心に学んで貰っていますがあまり時間は掛けていません。
 我が国は民主主義国とは言えない歩みをして来ましたが、これからも独裁政治は控えめに、計画経済など社会主義的要素を入れた特殊な民主主義国家目指していますので。
 選択授業で『共和国と王国』を選択した子達には、国家について考えて貰っています。」
「共和国を王国に取り込んで欲しいと言う要望は沢山来てるのでしょ?」
「多くの国民は国家の有り方に関して良く分かっていません。
 ただ、共和国内王国領になったエリアは会社のお金でインフラ整備が進んでいますので、王国領に住みたいと思うのは自然です。」
「王国領は観光客の増加に伴いそれなりに拡大して来たけど、共和国全体を考えたらまだまだなのよね、予算的に共和国全体のインフラを王国レベルにするのには無理が有るし。」
「その辺りのことが理解出来てない国民が多いのですよ。
 義務教育の範囲では税金に関連して国家予算についても教えていますが、どれだけ理解されているのかは疑問です。
 一応十三歳以上で履修する様にして貰ってはいるのですが。」
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