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近衛予備隊-322 [高校生バトル-75]

 国家の改革を考えたら教育はとても重要、だが技術者の養成に繋がる理数系を教えられる人が少なく、苦慮していたので詩織さまからの提案は有難かった。
 我々にはそれだけの人脈がないのだ。

「またしても詩織さまに頼ることになってしまったのね。
 それで、教育チームはどんな形になりそうなの?」
「理科や算数に対して興味を持つ子を増やして行くことがメインになるのだけど、学ぶ姿勢の有る子はそれなりにいる、教師サイドの問題が大きいと思うんだ。」
「今までの教育では、理数系の教師が充分に育ってなかったのよね。」
「その足りない所をネットを利用した通信教育で補えないかと考えてる。」
「お金が掛かりそうだけど予算的には大丈夫なの?」
「無理をしてでも将来に対する投資と考え、進めて行きたいと思う。」
「国会議員は理解してるから問題ないと思うのだけど、今までは政策に反対する人達の意見に合わせて多少の妥協をして来たでしょ。
 教育予算に関しては無駄遣いだと反対している人がいることを考えると、いよいよ独裁政権と呼ばれることになるのかしら。」
「子どもの教育は将来に対する投資だとはっきり示すべきだと考えてね。
 詩織さまがね、日本では少子化が進んでるのに、目先の利益に囚われて根本的な策が取られて来なかったと話しておられ、このままだと日本は国力が弱まり色々な意味で年老いた国になりそうだと嘆いておられたのだよ。
  国は子育て世代より高齢者にばかりお金を使い、企業が人件費を抑える事しか考えて来なかった結果なのだとか。
 その点我が国は改革が目に見え始めた段階、十年後二十年後を見据えて教育の更なる拡充を国民に訴え理解して貰おうと思う、先進国をお手本に…、勿論お手本に出来ないことも多々有るが。」
「教育予算増額に反対してる人達は目先の利益しか考えてなさそうだけど。」
「普通に国会を通せる案件だが、敢えて大統領令を発令し、もう一度教育の重要性を国民に訴えるのも良いだろう。」
「国立学校が給食だけでなく、その存在意義を示し始めてるから反政府系の人達以外は納得してくれると思うのだけど、反政府系は大統領令と言う言葉に対して様々な形で攻撃して来そうじゃない?」
「仕方ないだろ、彼らは言葉で説明しても理解出来ないのだから。
 一応、刑務所の拡張工事をして貰っているが、使わずに済んで欲しいものだな。」
「もしかして良からぬ動きが?」
「大統領親衛隊からの報告では一つのグループが武器を集めているそうだ。
 勿論違法行為で逮捕だが、どうせなら一気に殲滅してしまおうと策を練ってる最中なんだ。」
「抵抗したら射殺とか?」
「可能性は有るが、なるべく殺さず、刑期を出来る限り長くする方向で検討してるよ。
 反政府組織だから大統領親衛隊によって皆殺しにされた、ではこちらの印象が悪くなるだろ。
 あくまでも銃器の所持が逮捕理由、こちらに被害が出ない様に銃を使ってくれたら、銃器を使用したとして重罪に出来るが、親衛隊から死者やけが人は出したくない。
 その辺りを相手の動向を探りながら、慎重に検討しているんだ。」
「反政府組織が銃を手にしたら一番の標的はジョンでしょ、今の政府がどれだけの改革を進めているのか理解出来ない連中何て皆殺しにして欲しいのだけど、そうも行かないのね。
 せめて、その件が片付くまでは王宮前広場への入場チェックなどを厳しくして貰わないと。」
「まあ、王宮前広場を国境なき合唱団の拠点にする時に、金属探知機などを充実させているから心配はいらないだろう。
 このエリアは観光客中心に楽しんでる人が多い、そんな中で悪事を企ててる人がいたら自然と目立つ、怪しげな人物は大統領親衛隊が把握して調査してるそうだよ。」
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