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近衛予備隊-321 [高校生バトル-75]

「ジョン、化学の実験とか授業でやれてるの?」
「実験の必要性は化学を担当してる教官からも聞いてはいるのですが、それ以前に教えられる人が足りて無くて、王立高等学校はともかく国立学校では…、理数系の強化が難しい一番の理由なのです。」
「本や映像ではなく実際に自分の手で試してみることで化学の面白さが解るのよ。
 そんな状況では実験器具も足りて無さそうね。」
「はい、器具を用意出来たとしてもそれを使っての実験を指導出来る人がいなければ、特に薬品を使っての実験は間違えると危険でも有りますので。」
「そうね…、手始めはローソクの火を消すとか、そんなレベルからで良いから化学教育チームを立ち上げましょうか。」
「どんな感じですか?」
「小さめのローソクと大き目のガラスコップぐらいなら用意出来るでしょ?」
「問題無いです。」
「通信教育の体制は?」
「充分とは言えませんが一応全部の国立学校でネットが使えるようになりました、これから増強して行きたいですが。」
「映像で解説、実験は各学校の教師立会いの下にと言うのを想定しているのだけど、燃焼に関することは義務教育の範疇だったよね?」
「はい、火災を起こさせない為の安全教育、料理を通して火の利用、電力に関する授業では火力発電所の仕組みなども教えています。」
「火の消し方は?」
「訓練の一環として水による消火を経験して貰っています。」
「ではローソクに火を付けてその燃えるメカニズムを映像で説明、子ども達に興味を持たせられそうな講師には心当たりが有るのよ。
 例えばローソクは吹き消すことが出来るのだけど、何故消えるのか、なんて話から始めて貰ってね。」
「吹き消す、を論理的に考えたことは有りませんでした。」
「当たり前だと思ってることほど説明しにくいのよね。
 ローソクにガラスコップを被せ、何故消えるのか、芯をつまんでみたり、ドライアイスが身近に有ったら、ドライアイスで消してみたいわね。」
「酸素と二酸化炭素、それが化学の基礎なのですね?」
「化学教育チームにはそんな身近な物で出来る実験を用意して貰いながら、映像による授業体制を構築、物理教育チームや数学教育チームを立ち上げることも考えようか。」
「お願いします。」
「今後の国家改革を考えたら技術者を育てる教育はその要となる、それぐらいの気持ちで取り組んで貰える人を集めて貰いましょう。」
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