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近衛予備隊-319 [高校生バトル-74]

「王立高等学校でも年齢に関係なく…、でも入学年齢が十二歳から十八歳ってトラブルにならないものなの?」
「年長者のことは学校での先輩後輩に関係なく、何故か日本語でお姉さんお兄さん、お姉さまお兄さまとか呼んでいまして、それを楽しんでいる様です。」
「その微妙な違いを分かって使っているのかしら?」
「日本語に興味を持った初期メンバーが解説付きで広めたそうで、姉ちゃん、姉貴、姉御、姉上様と使い分けてるのですよ、自分も参考になりましたが妹に対する表現は限られるのですね。」
「言われてみればそうかも、そこに上下関係が有るのよね…、姉御だけは実の姉には使わないかな。」
「はい、姉御と呼ばれているのは色々と頼もしい女の子だけです。
 まあ、そんな感じで年齢や先輩後輩に関係なく自然に教え合う雰囲気を今までの先輩達が創り上げてくれましたので、変なプライドを持ってる子以外は年齢を気にして無いのですよ。
 上手く人間関係を築けてない子がいればお兄さんお姉さんが気に掛ける、学力的に優秀な十四歳にとっても頼れるお姉さんやお兄さんがいることはプラスに作用していると感じます。」
「いじめとかはないの?」
「表に出て無いだけかも知れませんが報告は受けていません、派閥は有りますが学業やスポーツで競い合い喧嘩をしないのが校訓の一つです。」
「派閥?」
「高等学校内の行事で助け合うグループです。
 元々は新兵を受け入れるチームだったのですが近衛予備隊の拡大に伴い役目が広がりました。
 そのリーダー達が派閥内外のトラブルに気を配っていると思います。」
「グループは色々有るのよね?」
「はい、授業毎にメンバーが変わりますし実習も固定メンバーでは有りませんので。」
「色々な人と繋がれる環境が有れば、いじめは起こりにくいのかしら?」
「元々王立高等学校のメンバーは試験に合格した優秀な子達ですよ、人間関係に関する教育も行っています。」
「成績優秀だから人をいじめないと言う訳でもないのだけどね、国立学校には多くの大人が関わってるみたいだから子ども同士のトラブルは直ぐ発見されると思うのだけど、王立高等学校では寮暮らしの子が多いでしょ。」
「寮で共同生活してるからこそ生徒同士の繋がりが強くなってると聞いています。
 王立高等学校の子達も実習を通して大人と接していますし。
 ただ、自主性や主体性を求められていることも有り、大人に頼りたくないと言う意識が強く、それが頼もしい反面心配な一面なのも事実です。
 でも、詩織がそんなにいじめを気にしてるとは思っていませんでした。」
「いじめは他者より優位に立とうとする本能的な行いでも有り、日本の学校では良く問題なってたの。」
「喧嘩とは違いますよね?」
「対等な喧嘩とは違って一方的なのよ、差別意識に起因してとか程度の差こそ有れどの国でも起きてるみたいだけど。」
「差別意識のことは王国騎士団からの報告にも有りました。
 彼らは様々なトラブルを解決して来たと聞いているのですが、その流れで子ども同士のトラブルが起きにくい環境造りに尽力してくれた様です。
 高等学校の生徒にとって憧れの王国騎士団、その報告は過去のも含めて王立高等学校の生徒達は目にしてる筈です、英語学習にも役立つ読み物に仕上げられていますので。」
「王国騎士団に憧れてる子達はそれを読んでるから問題行動を起こしたりしにくいと?」
「それだけでは有りませんが多少の影響は受けていると思います。」
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