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近衛予備隊-318 [高校生バトル-74]

「国立学校のスタート時は誤解も有り混乱しましたが王国騎士団の地道な活動が実り、今はどの学校も地域の大人によって守られています。」
「義務教育制度はどう?」
「義務で有る教科単位全てで合格点を取り義務教育終了証を手にする子どもが増えたことで学校に対する理解が深まっている様です。
 対象年齢を八歳から十五歳としていますが、スタート時に十五歳だった子の多くは十六歳になっても通い続けて義務教育終了証を手にする子が多かったと聞いています。
 早い子は十三歳で終了証を受け取れる内容にしたのが良かったと思っています。
 大人としての最低限の知識を確認して欲しいと王国騎士団が大人達に呼び掛けたことも有りまして。
 今後の会社運営を考え義務教育内容を知っておきたい人や、農業や英語を学ぶついでに学習して義務教育終了証を手にする人もいます。
 自習能力の有る人なら授業を受ける必要が有りませんので増えている様です。
 全てで合格点を取れないまま就職したり学校を離れる子もいますが、そんな子には義務教育実績証明書を発行、何年か先にでも残りの単位をクリアしてくれたらと思っています。」
「私立学校はどうなってるの?」
「カリキュラムに義務教育内容を組み込んで貰い、その学校の卒業証書とは別に義務教育終了証を発行しています、卒業はその学校が、義務教育終了証は国が認めたものになります。
 そんな学校へは国として僅かながらですが助成金を出しています。
 また、福祉団体が運営して来た学校は、その母体を残しつつ国軍が学校運営に協力し義務教育を推進しています。」
「国立とはしないで?」
「国立学校になった所もありますが、共同運営の形を取っている学校も有ります。
 反政府的な教育を行っていなければ、宗教教育を否定しないことにしました。」
「それぞれにお金の出どころが複雑になっていそうだけど。」
「その調整に時間が掛かりましたが、細かい所で揉める様なら大統領令で抑え込むからと王国騎士団に伝えて有ります。
 今の所大統領令は必用とされていませんが。」
「王国騎士団が頑張ってくれてるのね。
 そんな国立学校から、近衛予備隊、名前が変わって王立高等学校へ進む子は増えてるの?」
「はい、力の有る真面目な子にとって憧れで有ることは変わっていません。
 十二歳から十八歳までと受験資格に幅が有りますので、一度不合格になっても再度挑戦出来ます。」
「日本人の感覚だと年下の先輩に教えて貰うって違和感を覚えるのだけど。」
「新兵教育に年齢が関係ないのは国軍と同じです。
 他者を思いやる気持ちを持つことは合格の条件で有り、王立高等学校の校訓ともなりました。
 国立学校でも同じように教えていますし、ずっと年齢に関係なく学んで来た子達ですので当たり前のことになってると思います。
 国立学校では大人も学んでいますからね。」
「日本は学年で区切られた環境で学ぶのだけど、その利点と欠点は然程議論されてなくてね。」
「管理が楽で年長者が気分を害することがないシステムだと聞きましたが、大人になれば年齢に関係なく仕事が出来る人がリーダーとなるのです。
 義務教育では沢山のことを教え覚えさせようとしていません、国民として知っておいて欲しい最低レベルが義務教育、それでは足りないと感じたら選択教科を履修、更に上を目指す子は王立高等学校へ進学、その流れは理解されていると思います。」
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