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近衛予備隊-306 [高校生バトル-73]

「と言うことなのだけど、美紀、どう?」
「私が呼ばれた理由は分かったわ、国によって好みが違うだろうし、歌い易さを重視すると言う制約が有る、手探りで何曲か作曲してみて皆さんに判断して頂くしかないわね。
 詩織、歌いたい人が五割を合格ラインでどう?」
「三割で良いと思う、歌いたい人が歌えば良いのだから。
 お願い出来るのなら契約はそこの近衛と相談して欲しいのだけど。」
「オッケー、歌詞はどうする?」
「近衛隊のメンバーが作ったのが有るのだけど、歌い易い様に変えてくれて構わない、政治や宗教を感じさせる詩はNGでね。」
「女王陛下を讃える歌は?」
「恥ずかしいからやめて。」
「はは、でも嬉しいわ、社長になり企業グループのトップから女王さまになられた詩織さま、まさか直々に声を掛けて下さるとはね。
 国境なき合唱団の趣旨は分かり易いわ、ヒット曲を作れるとは思えないけど、合唱団の愛唱曲を目指してみるね。
 歌詞は英語だけで良いの?」
「先々は他の言語も意識したいけど、スタート時は英語で行くしかないでしょ。」
「詩織さま、敢えて言語を用いずスキャットのみと言うのは如何です?」
「あっ、そうね、面白いかも、美紀はどう思う?」
「確かにスキャットなら言葉の壁を感じさせないわね、う~ん…、色々試してみたいわ。」
「宮殿内に用意した美紀の部屋にはグランドピアノとパソコンを用意したからね、音楽ソフトは担当に言えば直ぐに指定のものをダウンロードしてくれるわ。
 ピアノは美紀が自身のYouTubeチャンネルで欲しいと話してたのにしたからね。」
「うっ、私を日本に帰らせないつもりとか?」
「YouTubeの撮影はうちのスタッフが手伝うから安心して良いわよ。」
「来るまでは暑いイメージが有って、実際飛行機を降りた時は暑いと感じたけど、ここは標高が高いからか快適、詩織がここ居付いたのが納得出来たわ、昔から暑いのも寒いのも苦手だと話してたものね。」
「詩織さまは、そんな理由で?」
「それだけでは無いわ、私の庭園が有ってくつろげるし宮殿の中なら自由でね。」
「遠江王国や日本ではそんな訳に行かないものね、宮殿は建てられた時の映像を見たことが有るのだけど、それよりかなり大きくなったよね。」
「ええ、大統領の執務室を増築、それに伴って大統領親衛隊とかの居住スペースを増やしたし、ガウディのサグラダ ファミリアみたいにずっと工事中なのよ。
 それによって雇用の場が確保され、名所として観光客が訪れる、今度は国境なき合唱団の結成を記念して大ホールの建設はどうかしら。」
「それだけの予算が有るのね。」
「無くても何とかする、この共和国には、まともな大ホールがなくてね、大統領が文化面の充実を考えてるから必要なのよ。」
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