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近衛予備隊-302 [高校生バトル-73]

 王国の店前に有る大広場、その一角に雨と日差し対策の屋根を広めに作りピアノを置いた。
 詩織さまは日本から調律師を呼んで下さっただけで無く、ピアノを輸送するトラックやその担当者の手配まで指示、国立学校へ中古ピアノの搬入も始まっている。
 大広場のピアノは、海外のストリートピアノを参考にしたのだが…。

「ストリートピアノで演奏している動画を見ると、ピアノが屋根の無い所に置かれてるよね。」
「気候が違うのだろうな、過ごし易いと言われている王国の店付近でも屋根は必用不可欠、でも広い屋根の有るエリアはピアノに関係なく好評みたいだな。」
「大統領が直々にテープカットしてのオープン、その宣伝効果で人が集まってるものね。」
「時間帯を区切って子ども達の合唱発表も有り、ピアノ演奏だけではないからな。」
「合唱の伴奏は店とかのスタッフが交代で担当してくれているのよね。」
「ああ、日本から来ているスタッフを中心に、子ども達の練習にも付き合ってくれてるそうだ。
 ピアノを弾ける人があんなにいたとは思わなかったよ。
 ただピアノを自由に演奏して貰う時間帯は待つ人が多いそうなので、今後は予約制に、一度演奏をしてレベルの高かさをアピールした人には優先的に演奏して貰えるシステムにするそうだ。
 観客の心を動かしたかどうか判定しにくくは有るが、とてもひどい演奏をした人の演奏を何度も聴きたいとは思わないだろ。」
「でも、そんな演奏でもOKなのでしょ?」
「演奏する楽しさを伝えてくれるのならな。
 観光客の皆さんが思っていたより大勢演奏してくれ、それが思っていたより聴けるレベルなのには考えさせられたな、我が国の国民は演奏出来る人がほとんどいなくてさ。」
「国民でピアノを習っていたとなると、親が不正蓄財で逮捕されたとか勘ぐられてしまいそうだもの。
 今後は貧富に関わらず音楽を楽しめる国にしたいわね。」
「遠江王国が動き始めてくれたのだから、そして行かないとな。
 王家の人達は二社の大手楽器メーカーにも知り合いが多いそうでね。
 メーカーの販路拡大を意識しながら、我が国を音楽溢れる国に出来ないかと考えてるそうだよ。」
「音楽溢れるか、ラジオから流れる曲ではなく生で演奏される音楽と言うことなのよね。
 騒音にならず、国を盛り上げてくれれば良いのだけど。」
「近衛予備隊のマーチングバンドは、しばらく騒音でしかないだろうな。」
「騒音では無い所までレベルを上げてくれる指導者は見つかりそうなの?」
「どうかな、出来立てのバンド、その練習風景を公開して指導者募集中とアピールはしているが、さすがにリモートでは無理、今は国軍の軍楽隊メンバー頼りだな。」
「まずは指導者の為にそれなりの住まいを用意しないと駄目かもね。」
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