SSブログ

近衛予備隊-299 [高校生バトル-72]

 子ども達に職業紹介をして行く取り組みは詩織さまにも話した。

「そうね、どの程度説明して行くのか検討する必要は有るだろうけど必要なことだわ。
 親とのコミュニケーションが取れていれば親の仕事について知ることは出来るだろうけど、それだけでは全然足りないし、子どもは大人の世界を知りたい筈、それでどんな形にするの?」
「まずはYouTubeチャンネルでの職場紹介から始めます、王国で働く人々の仕事に対する思いを語って貰おうかと。」
「それは国立学校でも見られるの?」
「はい、まだ充分に設備が整っているとは言えませんが、どの学校でも見られる様に出来ました。
 少々独裁者っぽい手も使いましたが、ほとんどのスタッフは社会改革を進めて行くに当たって教育の充実が必要不可欠なことだと理解していますので。」
「反対する人をねじ伏せたのね。」
「そんな所です、法律を作ったり改正したりしていては面倒なだけです。」
「国家予算はまだ十分ではないの?」
「今は微妙なラインです。
 国家予算が潤沢なら税金を下げろと言う輩がいるのですが、税金を下げるより国軍兵士の給料を上げた方が経済が回りますので。
 税金を何に使っているのか、国民の大部分が納得してくれていれば聞き流せるのですが、まだ改革の成果が国民の目に見える様になり始めたばかりです。」
「国民はそこまで国家予算に興味が有るものなのかしら?」
「あまりにも無さ過ぎでしたので意識改革を進めているのです。
 我々の国が誇れる国なのかどうか考えて貰いたいとも思いまして。」
「そうね、治安が悪かった頃は国家を意識していない人ばかりだったのでしょう。」
「はい、国民の…、民度と言えば良いのしょうか、それを上げたいと考えています。
 直ぐに変わることでは無いですが、何世代も交代する内に少しづつでも。」
「随分気長なのね。」
「簡単なことでは無いのですよ、町を汚すことに平気な大人世代が引退しても、その影響を受けて育った次世代も同じことをすると思いませんか。
 王国内は観光と言う柱が有りますので街は綺麗に維持出来ていますが、他では難しいのです。」
「何か策を考えてるの?」
「住民に街の美化を強制したのでは息苦しくなりそうで、王国を広げて行くぐらいしか策は有りませんが、王国内でも民度を上げるのは難しいと感じることが有ります」
「ジョン達可愛かったお猿さんが立派なジェントルマンに成長して文化的に変わったことは何?」
「そうですね…、文化面と言えば一番は音楽でしょうか、聴く曲も成長と共に変わって来ました。」
「成程…、まずは、店の辺りにストリートピアノを置いてみる?
 店に置いても良いのだけど、観光客も喜ぶのではないかしら。」
「ピアノですか…、演奏出来る人に心当たりがないのですが…。」
nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。