SSブログ

近衛予備隊-298 [高校生バトル-72]

 読み書きで英語を選択した子は徐々に英語ばかりの生活になって行くそうで、親と話す時以外は英語の通じる相手としか話さないと徹底してる子もいるのだとか。
 英語の学習を始めてから僅かな期間で英語による思考に切り替わる子も。
 子どもの語彙は元々多くないので、理科や算数も英語で学ぶ内に自然と身に付いて行く。
 教師の役目は、その環境を整えて行くこと。
 母国語で学んでいる子もいるので手間だと思うが、英語を履修している子達は向上心の強い子が多く、意外と手が掛からないのだとか。
 そこには、貧困生活から脱したいとの思いが有る。

「子ども達は英語を使いこなせる様になれば観光客相手の仕事に就けて生活が良くなると親から教えられています、それだけに必死な子が多く、大きい子の中には教育実習生に理科や算数の教え方を説明する子が出始めています。
 教えることで自身の英語力を高めたいのだとか。」
「英語教育実習生も形無しだな。」
「英語で考える様にしなければ駄目だと子どもから言われる実習生もいますが、彼らは算数や理科を英語で教えることを想定して来なかったのです。
 また、子ども達の学習速度は彼らのイメージと掛け離れている様です。
 日本語で生活しながら英語の学習に取り組むのと、英語学習に取り組み始めた早い段階から英語ばかりの生活になって行くのとでは全く違いますからね。
 英語が出来ないと就職出来ても昇進出来ませんから、向上心の強い子は学習に貪欲なのですよ。」
「企業の幹部に外国人が多いから、英語が出来ないと昇進は難しいのだが、母国語はそんな状況で良いのだろうか?」
「英語で調べた方が得られる情報が格段に多いです、そもそも母国語で書かれた専門書なんて有りません。
 独立してから文化的に不毛な時代が長く続き治安が悪化、今更母国語を大切にと言われましても。」
「まあそうだが、母国語での読み書きに取り組んでる子はどうだ?」
「途中から英語学習を始める子もいますが…、まだ今の社会のことが良く分かっていない子達ですが、無理に英語を選択させるのもどうかと思っています。
 ただ、選択科目には英語必須の教科が多いことも有り、義務教育範囲のレベルのみをクリアして終了する子は英語に取り組んでいない子です、徐々に減りつつは有るのですが…。」
「まだ検討すべき課題は多そうだな。」
「はい、これからパソコンやスマホが普及して行くことを考えると英語での読み書きは必須に、母国語で読み書き出来る人でも、英語が使えないと文明の利器を使うことが出来ません。」
「う~ん、必要経費を考えると母国語で使えるスマホを開発するより、大人にも英語教育を進めた方が早くは有るのだが、微妙だよな。」
nice!(12)  コメント(0) 

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。