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近衛予備隊-274 [高校生バトル-70]

「罪を犯したのだから国の為に働きなさいと言うことなのね。
 でも、法整備はまだ始まったばかりだと聞いたけどどうなの?」
「様々な法が有りますからね、刑法は裁判官の質を高め監視システムを維持して行くことを前提に、一番シンプルにする方向で進めて来ました。」
「どういうこと?」
「日本の法律事情を少し教えて貰いましたが解釈とかややこしいですよね。」
「ええ、会社でも弁護士に頼るしか無いわ。」
「兎に角法律をきっちり定め、それに沿って裁判を行ってるそうですが、信頼に足る裁判官ばかりであるのなら細かい部分は裁判官の判断に任せて良いのです。
 法律全般の見直しを行っていますが、特に刑法に関しては裁判官の裁量に任せる部分を多くし、今はそれで不都合がないか検証している段階です。」
「法の裏をかこうとしたら有罪に出来る法律とかが有るものね。」
「ええ、新しい法律ですから、でも人に迷惑を掛けない、人を騙して金儲けをしてはいけないと当たり前のことなのです。
 法の隙をついて社会にとって好ましくない行為をする連中を放置していたのでは、国の改革が遅れてしまいます。
 社会は変化しているのですから、細かい法律で対処して行くより手っ取り早いと思いませんか?」
「そうね、独裁政権のメリットを最大限に活かすと言うことかしら。」
「先進国の事例を見ていたら、独裁者と言われても構わないと思う様になりましてね。
 被害者家族の人権より加害者の権利が重視されてるなんて考えられません。
 だらだら裁判を続けるのではなく直ぐに判決を下し有罪なら罰金か強制労働。
 それに不服がある場合は服役しながらゆっくり審理して貰う。
 早い判断は、法がシンプルで裁判官やその判決を見守る人達の判断が重視されるから可能、そして受刑者は自由は奪われるものの労働者として尊重される。」
「今までは人として尊重されてなかったのね。」
「と、思います。
 人権を尊重していますので、判決に対しての不服申し立てを可能にしているのです。」
「その辺りは独裁者らしくないわ。」
「ただ、制度を始めた当初は不服を申し立てる人が多かったのですが、その後不服を申し立てた人が服役中に取り下げる例が増えまして。」
「そんなに刑務所は居心地か良いのかしら?」
「いえ、そこまででは無いと思うのですが、不服を申し立てた人のことを時間を掛けてじっくり調査すると、そこで余罪が見つかり刑期が伸びるケースが多いことを、彼らは刑務所内で知るのです。」
「裁判官は早い判断を求められているので刑期を短めにする傾向が有り、しっかり調べると刑期が短くなるより長くなる事例の方が圧倒的に多いのです。
 取り下げても、その時点までに判明した事実から刑期が十年伸びた人がいるとの噂が広がったお陰で、裁判所関係の人員に余裕が出来つつ有るのですよ。」
「それだけシビアな調査をしているのね。」
「はい、人権を守るだけでなく、山での労働力確保と犯罪を減らすことに繋がりますので。」
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