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近衛予備隊-272 [高校生バトル-70]

「受刑者の待遇はどうなの?」
「食事は豪華とは言えませんがそれなりのものが出されています。
 酒や煙草は差し入れ次第ですが制限されていますから、かなり控えめです。」
「完全に禁止では無い方が良いのかしら?」
「人それぞれでしょう、酒を少し口にすると余計飲みたくなって辛いから、全く飲まない人もいるそうです。
 でも力仕事で適度な運動、美味しい食事と適度な飲酒、煙草を吸う回数は極端に減り、彼らは健康的に暮らしているのですよ。」
「そっか、私は適度な運動を心掛けているけど、自分で気を付ける必要は無いのね。
 娯楽は?」
「音楽祭にも各刑務所の受刑者代表が出ています、出所後のことを考えたら社会との接点が有った方が良いですから。
 賭け事は差し入れの酒や煙草を賭けて楽しんでるそうです。
 夜は刑務所の男性専用エリア女性専用エリア、それと男女が鉄格子を隔てて会話出来る共用エリアで自由に過ごしています、翌日の仕事に差し障りの無い時間までに就寝すると定められているのですが、寝不足では事故の危険性が高まると教育していますので夜更かしをする人は少ないそうです。
 監督官達は大声で騒ぎ他人の睡眠を妨げない限り何も言いません。
 テレビも見られますし、出所後、違った仕事に就く人の為、パソコンも置いて有ります。
 台数が限られますので交代で使ったり複数で囲み扱い方の学習をしたりしてるそうです。
 以前そんな話が自分達のYouTubeチャンネルにコメントとして書き込まれましたので、パソコンの台数を増やしてはいるのですけどね。」
「う~ん、私が抱いてた刑務所のイメージとは随分違うわ。」
「受刑者を国の為に働いてくれる人達と考えた結果です。
 我々が正規で雇用するには充分な給料を支払うことが前提になりますが、彼らに給料を支払う必要は有りません、大勢のボランティアが山で働いてくれてるのですよ。」
「労働環境が悪かったら刑期を終えた後も、そこで働こうとは思わないものね。
 う~ん、罰としての意味合いが弱いと思えるのだけど、裁判官達はどう考えてるのかしら?」
「概ね好意的に捉えている様です。
 彼らも罪を憎んで人を憎まずと教えられていますが、以前は犯罪者を罰すると考えていたのが犯罪者には山で働いて貰うに変わり、精神的に楽になったと聞いています。
 かつての刑務所には山での強制労働は有りませんでしたが、ひどい環境だったそうです。
 裁判官達は定期的に刑務所の視察を行っていますが、今の環境なら刑務所暮らしの方が楽しく暮らせそうな被告も居るのだとか。」
「自由が無くても?」
「刑務所では監督官に守って貰えますからね、一般社会に適応出来なくて犯罪を犯した人も大切な労働者として扱われているのです。」
「精神的に見守られる必要の有る人にとっては悪くない環境と言うことかしら?」
「そう思います、いじめる人がいればすぐ分かり、いじめた人の刑期は延長されるのです。」
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