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近衛予備隊-271 [高校生バトル-70]

「受刑者達はそんなに活躍してるの?」
「国軍の河川管理を補佐し、発電用の燃料を確保してくれています。
 電力需要が伸びて来ていますので、社会に欠かせない存在です。
 強制労働している無給労働者が減れば電力料金の値上げを前倒しする必要が出て来ますよ。」
「彼らは大人しく働いてるのかしら?」
「文句を言って暴れた人や脱走を試みて失敗した人は刑期が伸びます。
 監督官達は貴重な労働力だから気持ち良く働いて貰おうと考えています、ただ、中には犯罪者だから死んでも構わないぐらいに思ってる人も居るそうで、トラブルが起きた所を調査すると監督官に問題が有り、逮捕され刑務所に入り強制労働者になった監督官もいるのだとか。」
「監督官をやってると自分が偉くなった気になるのでしょうね。」
「みたいです、全員監督官になる前に教育を受けているのですが、初心を忘れてしまうみたいです。」
「女性の受刑者も強制労働?」
「山へ入って作業する様なことは有りません、受刑者の食事を作ったり洗濯したり、自分達の食料を確保する為に畑仕事や家畜の世話をしています。」
「受刑者の食事と言うことは男女一緒なの?」
「同じ建物で顔を見て話すことが出来ますが、互いに手が届くことのない構造になっています。
 刑期を終えるまでは異性に触れることが出来ないのですが、刑務所内でカップルが誕生することも珍しく無いそうです。
 完全にプラトニック、真面目に働いていれば刑期が短くなることも有りますので、受刑者にとって良い刺激になっているそうです。
 色々我慢しきれなくなって揉め事を起こす人も居るのですが、その結果刑期が伸びると言う姿を見せられ、刑期を終えた後も同じ仕事をしている人から結婚した話を聞かされると、受刑者は真面目に働くしかないのですよ。」
「本能をコントロール出来る人は真面目に、出来ない人は揉め事起こして刑期を伸ばすと言う構図なのかしら?」
「ええ、大きな声では言えないのですが、刑期を終えても直ぐに戻って来そうな人にはトラップを仕掛けていましてね。」
「トラップ?」
「性格に問題が有る人に脱獄出来そうな状況をわざと作るのです。
 思わず脱獄を試みても簡単に捕まってしまい刑期が伸びる、そんな人は学習能力が低いですから、何度も繰り返すそうです。
 刑期が伸びたお祝いにと何時もより少しだけ夕食が良くなるのですけどね。」
「トラップだと気付く人も居るのでしょ?」
「勿論です、一回試してトラップだったのではと気付いた人は、脱獄に対して慎重になります。
 トラップでは無く監督官がミスしても、脱獄される確率が下がるのですよ。」
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