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近衛予備隊-270 [高校生バトル-69]

 前大統領は戒厳令を出してから、大統領令を沢山出して改革を進めた。
 ただ、我々の要望を汲んでくれたものは良いが本人の気分で改悪してしまったものも有る。
 まあ、改悪されたものは、それがまずかったと理解されてるので修正して行けば良いのだが。

「ジョン、大きな改革をした独裁者の後を受け継いでどう?」
「ふと、気付いたら自分も独裁者の仲間入りをしてましたよ、詩織は国会議員選挙の結果をどう思います?」
「前任の独裁者を反面教師にすれば良いのよ。
 戒厳令の後、大統領令だけで色々済ませられると気付いた彼が、無駄な国会議員の人数を大幅に減らしてくれたのはラッキーだったでしょ。」
「ですね、お蔭で四十七人全員を大統領親衛隊から当選させることが出来、彼らには分野ごとに法の見直しをして貰っています。
 これから立案して行く法律は、大統領令ではなく選挙によって選ばれた国会議員が民主的に決めて行くことになりますので、民主的合法的な独裁政治が出来そうです。」
「大統領親衛隊に対する教育は充分出来てたの?」
「そこは戒厳令以降ずっと近衛隊が頑張ってくれてましたので。
 我々の描く国家像に賛同してくれた親衛隊のリーダー達が立候補してくれたのです。」
「大統領選の勢いが残っていたとはいえ全員当選とはね、国会議員の有り方も変えて行くのでしょ?」
「ええ、法治国家としての法整備をメインに働いて貰います、今までの議員は何をしているのか良く分かりませんでしたので。」
「戒厳令の頃に失脚した人達はどうしてるのかしら?」
「ほとんどが刑務所に入れられ強制労働でしたが、刑期を終えてもそのまま働いている人が多いそうです。
 彼らの衣食住は国が負担しますが受刑者は言わば無給の労働者で、森の整備を中心に活躍してくれているのです。
 出所しても仕事に就けるかどうか不安でしょうし、衣食住を自分で賄うのは結構な労力を要します。
 ですから同じ現場で同じ作業をしていても、給料を貰い強制労働の受刑者を監督しながら働くと言うのは彼らにとって悪くないのです。」
「強制労働ってきついイメージが有るのだけど。」
「厳し過ぎては労働力を減らすことに成り兼ねません。
 給料を貰い始めた先輩から酒や煙草を分けて貰うことも有り、真面目に刑期を全うする人が多いそうですよ。」
「そんなシステムになっているのなら、出所後の再犯率は下がっていそうね。」
「戒厳令の前と後では刑務所に入れられた人の人数もタイプも異なりますので単純な比較は出来ませんが、仕事に困って犯罪に走る人は少なくなってると思います。
 こちらとしては、もう少し無給の強制労働者が増えても良いのですけどね。」
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