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近衛予備隊-268 [高校生バトル-69]

 詩織さまからは文化的な活動を充実させて行かないと社会に厚みが出ないと言われて来た。
 無趣味な人ばかりでは賃金をアップしても経済が回らないという一面も有る。
 絵画コンテストを我が国で開催しても直ぐに何かしらの効果が期待出来る訳ではないが音楽コンテストは音楽祭と銘打ち、担当者達は経済効果を意識して企画。

「音楽祭は結構盛り上がってるみたいね。」
「担当チームの戦略が当たったみたいだな、一次予選は出たい人全員参加、審査を甘くして二次予選に大勢進める様にしたことで喜んだ人が多かった。
 二次予選の様子はYouTubeにアップ、子ども達は自分の映像を見せて貰って喜んでいたそうだよ。」
「二次予選を通過した人達は皆それなりに上手みたいだから、三次予選以降も期待出来そうね。
 音楽祭に合わせて展開を始めたカラオケボックスはどうなの?」
「権利関係の問題が有ってまだ歌える曲数は少ないが、予選でカラオケを経験した人達中心に好評だよ、オーケストラをバックに歌ってる気分になれるのが気持ち良いとかで。」
「今まで大人が歌うのはお祭りの時にぐらいだったものね。
 権利関係って著作権?」
「ああ、今まで著作権に関することは結構いい加減だった。
 でも、そのままではレベルの低い国から脱することは出来ない、今回の音楽祭を通して著作権の意味を国民に伝えて行こうと思うんだ。
 音楽祭で発表出来る曲に制限が有る意味をね。
 三次予選から演奏出来る曲がぐっと増えるのは主催者が著作権料を払うから、二次予選までは古い曲だったりして著作権料が発生しない曲のみ、歌の場合は日本の高校生が無償で演奏してくれた録音をバックに歌って貰っていたからな。」
「音楽著作権は結構ややこしいみたいね。」
「ああ、でもそれだけに我が国が著作権を尊重しているとアピールすれば、以前の貧しい国から脱却しようとしてることを感じて貰えると思うんだ。」
「国民に理解して貰えるかしら?」
「簡単ではないと思うが、カラオケで歌いたい曲をリクエストして貰って、それが可能になるまでのプロセスを公開して行こうと考えている。
 曲を作った人にお金が届かなかったら、次の曲を作る気持ちが高まらないとか説明して、国の法律も整備して行くつもりなんだ。」
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