SSブログ

近衛予備隊-261 [高校生バトル-69]

 政府内の改革が着々と進んでいるのは当たり前とも言える。
 職員は自分の支持者ばかりで選挙期間中から、どんな改革をして行くかの説明を聞いていたからだ。
 近衛隊は臨時職員の扱いで、新しいシステムが順調に動き始めるまで職員の教育に当る。
 他国の人が一時的とは言え政府の中枢に入ることに反発する人もいたが、能力的な問題が有るので仕方ない。
 まあ、そんな反発をする人に限って理解力が低く周囲を困らせていると聞いたが、そんな彼は他の職員が昇給しても据え置きになる。
 今まで能力が反映されにくかった公務員給与体系の見直しも指示して有り、元々の給料が安いので減給は無いが昇給のチャンスを増やしたことで職員達のモチベーションは上がっている様だ。

「ジョン、公務員の給料を上げて税収不足にならないか聞かれたけど実際どうなの?」
「カジノの売り上げはその運営費を除いて国へ入るシステムだろ、戒厳令の頃と比べたら国庫は随分潤っているのさ。
 そもそも公務員の間に不正行為が広まったのは、その給料の低さが原因の一つ。
 少し改善されはしたが、今後公務員の給料を我が社の給与水準に合わせて行かないと、優秀な人が公務員になろうとはしなくなると思わないか?」
「そうね、暫くは優秀な人材の取り合いになるのかしら。
 近衛予備隊の存在は今後ますます重要になって行くのでしょうね。
 近衛予備隊は会社が運営してる組織だけど、国としてハイクラスの教育も考えて行くの?」
「いや、今は近衛予備隊と王国騎士団の拡大を考えれば良いと思ってる。
 他の国では有り得ないレベルで政府と一企業が癒着してる訳だが、詩織さまをトップとする企業で有り、この国を改善して行く原動力となっているのだから誰も批判出来ない。
 会社として近衛予備隊の拡大を続けて行くが、国としては民間で運営されて来た学校と義務教育制度を普及させる為にスタートさせた学校を整理して行く時だと考えているんだ。」
「そうね、まだ最低限の読み書きをどの程度にするのか、今後どんな教科をどんな形で教えて行くのかは決まってないものね。
 既存の学校もそれぞれの判断で教育活動をして来たからカリキュラムがバラバラ、少なくとも近衛予備隊に入隊出来るだけの能力が有り入隊を希望してる子が、受けて来た教育の質によるハンディを背負うことだけは避けたいわね。」
「状況を見ながらだが、近衛予備隊は今までなら不合格だった子でも学習に対する意識が高ければ入隊して基礎から学び直せるコースを新設したいと考え、近衛予備隊の幹部や王国騎士団とも相談している、それで真面目な子の人生を良い方向に向かせてあげたいからな。」
「そうね、真面目でも実力が伴わないと入隊出来なかったけど、そんな子達でも活躍出来る場は少なくないもの。
 海外メディアはそう言った展開より実習を重視した教育に興味が有るみたいだけど。」
「他国の学校では子どもを働かせることはしないみたいだからな。
 でも、だからと言って外国の学校文化に合わせる必要は無いと思うんだ。
 どう考えたって実際の労働に直接結びつく学習は効率が良くてベストだろ。」
「国によって事情が違うのでしょうけど、詩織さまがこの国のことを思って立ち上げて下さったのが近衛予備隊第三部隊、隊員達は真っすぐ育っているし…、ふふ、私達も含めてね。
 なんと言っても大統領を生み出した教育機関なのだから、隊員達は誇らしげにこの国の改革を進める原動力になりたいと話しているのよね。」
nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。