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近衛予備隊-260 [高校生バトル-68]

 大統領になったからと言って凄く忙しくなった訳では無い、我々の中では早い段階で当選確実との分析結果が出ていて、準備を進めて来たからだ。
 前大統領が費用の高さから渋っていた行政システムの改善を始め、税制改革への準備、公務員へ支払う給料を現金から銀行もしくはプリペイドカードへの振り込みへの変更などと一気に進めているが、それらの下地はすでに整っていて粛々と進められている。

「公務員の給料が現金でなくなると、いよいよ紙幣が紙屑になりそうね。」
「ああ、シンプルレジの普及が想定していた以上に早く進んだから安心して紙幣から脱却出来そうだな。
 カードシステムの導入を渋ってた店はこちらが指定した大幅割引期間を過ぎてからの導入となり痛い目を見て頂くことになるが、そんな店は従業員の給料が安過ぎる所ばかり、潰れて貰っても構わない、人々にとって本当に必要な店ならこちらで同様の店を立ち上げて行けば良いのだからな。」
「職業紹介所の報告書では失業率がかなり下がっているのだけど、給料に不満が有って転職を考える人は相変わらず多いのよね。」
「我が社の従業員と比べてしまうのだろうな、給料を上げてみたら電力が安定した地域を中心に家電製品の売り上げがぐっと伸びただろ、そんな製品を見せられたら転職したくもなる、我が社へな。」
「もっと人手が欲しいと言う部門は有るけど能力的な問題が有るのよね、その為の職業訓練校開設にはどの程度の応募が有るのかしら?」
「訓練中も実習として働いて貰うが支払われる額は少ない、先のことまで考えられる大人がどれだけいるかだが、近衛予備隊から入校する子達にはしっかりした目的意識を持つ様に指導して貰っている、彼らが訓練生達を引っ張ってくれるのではないかな。
 電力会社としてはそれなりの技術を持った人に入社して欲しいからね。」
「社内でも競争が有ると聞いたけど。」
「能力が高く会社に貢献してくれれば昇進も昇給も有る。
 従業員を前の会社から引き継いだ現場のリーダーは、その能力の低さから度々停電しても当たり前だと感じたそうだよ、彼は社員教育を頑張ってはいるが年齢的に難しいと話していてね。
 十七歳前後の近衛予備隊所属、職業訓練校訓練生には期待しかないそうだよ。
 最初に近衛予備隊から実習生として送り込んだ子達は、そのまま就職して各部署のリーダーやサブリーダーになってるからな。」
「えっと…、二十歳ぐらいで給料はベテランより上ってこと?」
「知識も技術も上、ベテランでも会社が導入したシステムについて行けなかったら新人以下でしかないのだよ。」
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