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近衛予備隊-250 [高校生バトル-67]

 俺達が進めている学校の難しさは、そこで収益が発生しないことだ。
 学校で育った子達が社会に貢献するまでには時間が掛かる。
 既存の学校は親から学費を徴収するか慈善団体の運営で成り立っているのだが、我々が新設した学校には国費が投入されている。
 
「多くは無いものの税金を使っての学校運営に批判的な声が出ているわね。」
「ああ、詩織さまが経済を活性化して下さった結果として増えた税収を原資にしているのにな。
 そう言う心の狭い大人にしない為にも教育は必要だ、うちのマーケット関連事業に乗りそこなっている、先のことを考えられない連中なのだろうが。」
「そんな人達に大統領選出馬に合わせて提案する税制改正は、どう受け止められるのかしら。」
「大胆に簡素化し税務職員を大幅に減らす、税務関連職から学校の教師になって貰うことをメインに組織の見直し、税の個人負担は減らすが、まあ、批判は出るだろうな。」
「マーケット関連で給料が増えつつ有るのに、税負担が少し減るのだから文句はないと思うのだけど。」
「そのマーケット関連では無い人達だよ、我々と手を組んだ企業や商店は経理システムによって税務関係の作業がすでに簡素化されているだろ。
 様々なメリットが有るのにシステム導入への投資をためらっている人達にとって、税制改革は手間でしかないのさ。」
「現金取引なんて時代遅れなのにね。
 うちが買収した銀行は現金取引に対して手数料を考えているのでしょ。」
「ああ、現金取引したい人は他の銀行を利用して貰えば良いのさ、うちが扱う現金はプリペイドカードでの入出金時のみ、今まで入金機を通った紙幣から偽札は見つかってないからな。」
「入金機を通らない偽札が結構見つかっているのよね。
 警察の事情聴取の話が広まりクレジットカードの使用や銀行口座からプリペイドカードへ入金する観光客が増えてると聞いたけど。
 高いお金を掛けて偽造されにくい紙幣を発行するより現金取引をやめてしまえば良いのにね。」
「まあ、そうも行かない事情が有るのだろうが、アビュニス王国はまもなく現金の使えない国になるそうだよ。
 一部の反対は有ったものの新しい王国の特色として前面に打ち出して行くとかで。」
「シンプルレジが行き渡ったのね。」
「ああ、その記念に近衛予備隊か王国騎士団のメンバーを招いてのイベントを開きたいと打診が有ったよ。」
「派遣するの?」
「王国騎士団は子どもを学校へ行かせたくない親との交渉などで疲れているだろうから、気分転換になればと思うのだがどうだろう?」
「そうね、仕事として行って貰い楽しんで来て貰えたら嬉しいわね。」
「義務教育の拡充にはまだ問題が多いからな。」
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