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近衛予備隊-247 [高校生バトル-67]

 彼らの留学に対する思いは様々だったが、皆、来て良かったと話してくれ日本に帰りたくないと。

 その後、実際に留学期間延長の申し出が有っただけでなく、二期生以降の受け入れに関する業務を十人でチームを組みボランティアで手伝いたいと申し出てくれた。
 四か月間の実習後に帰国する人も帰国後は日本の募集窓口で経験者として手伝ってくれる方向だが、そう言った話は王国国立小学校での実習を経験しながらのことで…。

「ジョン王子、見に来て下さったのですね、自分達の授業は如何でしたか?」
「子ども達の笑顔が印象的でした、教材は日本から取り寄せて下さったとか。」
「取り寄せたと言うより、日本の友人達にここでの生活やこれからの想いを伝えたら送ってくれたのです、皆、来たいと言ってるのですが、調べてみたらホテルが満室続きで簡単には取れないのですね。」
「ええ、ただ、伸二の友人なら何とかしますよ。」
「いえ、無理なお願いはしたく有りません。」
「ホテルは無理をしなくても予定が早めに分かっていれば大丈夫なのですよ。
 宮殿の宿泊施設には余裕が有りまして、ホテルの常連客にお願いすれば喜んでホテルから宮殿の部屋に代わってくれるのです、詩織さまに認められた方限定なのですが。」
「ホテルに空きを作ることが出来るのですか…。」
「勿論前もって分かっていないと出来ません。
 急用でどうしてもと言う方には国軍のテントで泊まって頂くことも有ります、テントでも結構快適なのですよ。」
「軍隊のテントですか、自分も利用してみたいですが友人達も興味を持つかも知れません、日本では経験出来ないことですから。」
「お洒落なテントでは有りませんが。」
「その代わり実用性重視なのですよね。」
「ええ、新設の学校はスタート時にテントを教室代わりにする所が多いです。
 天気が良ければ屋外での学習となりますが、雨の日は給食のことも有りますので。」
「やはり校舎建設までは難しいのですね。」
「学校までの距離が遠くては通う気にならないので数が多目になりまして。
 既存の学校と調整が出来れば、新たに校舎を建てる必要の無い所が結構有るのですが、貧困層の子が差別されていることも有り王国騎士団は苦労しているのです。」
「差別問題は難しいでしょうね…。」
「それでも子ども達が通いたくなる環境を整えたいのです、給食だけが楽しみでは寂しいですから。」
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