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近衛予備隊-246 [高校生バトル-67]

「大統領を意識してのことなのですね。」
「誰が大統領になるにしても、国に優秀な人材は必要です。
 治安が悪くなっていたのも人材育成に問題が有ったからで。
 今後この国の高等教育は詩織さまとも相談し、えっと、日本で中学高校に当たる部分を近衛予備隊が、大学に相当する部分を王国騎士団が、それぞれ年齢に関係なく実践的な仕事をしながら学んで貰うことにしました。」
「仕事と学業の両立は大変そうですが。」
「いえ、仕事して行く上で必要性を感じたことを中心に学んで貰いますので。
 電力関係で実習を行ってるメンバーは一回の実習だけで学ぶべきことの多さを感じ、実習の時間を少なくしていますが、学習したことを現場にフィードバックし安全確保や作業効率アップの実績を上げています、会社としても彼が無理なく学習に取り組める様にサポートしているのですよ。
 近い将来、電力会社の実務部門を任せることも視野に入れていますので。
「任せると言うのは管理職ですか?」
「ええ、今の会社は重要な役どころを近衛隊や日本からの応援に頼っていますが、それを大人に教えて行くより早いですからね。」
「管理職候補だと言うことは本人も知っているのですか?」
「そういったことはあまり気にしていないと思います、自分達の手で共和国中の電力を安定させたいと考えていますので。」
「若い人が明日の国家を考える若い国なのですね、大人達が若者の未来を奪って来た日本とは大違いです。」
「どういうことです?」
「日本の企業はひたすら人件費の抑制を考えて来ましてね。
 その為まともな職に就ける人が制限され貧富の差が拡大して行ったのです。
 商品価格を抑えることで競争力を得ると称して人件費を抑えたら、全体の購買力が落ちて経済が上向かないのに、そこまで考えられないのですよ。
 そんな企業には就職したくないと思い、自分は色々模索中なのです。」
「日本へ旅行した時に少し聞きましたが、日本では貧困層でも、ここで考えたら余程良い暮らしをしていそうで、良く分からなかったのですが。」
「人口が多く色々な人がいますので何とも言えませんが…、先の見えない年老いた国に思えて。
 でも、そんな中、遠江王国の独自な活動が注目されています。
 その姫で有る詩織さまが女王になられた国を見てみたいと言う思いも有って今回のプログラムに応募させて頂いたのです。」
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