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近衛予備隊-243 [高校生バトル-67]

「近衛隊の方には大変お世話になっています。
 私達は寮が未完成だからと宮殿に泊めて頂いてますが、多国籍で有る近衛の方々との交流は学ぶことが多く、我々に続く留学生達も彼らから学び、この国の教育に貢献してくれたらと思います。
 勿論自分もお役に立ちたいです。」
「国軍の方が義務教育推進に向けて動いておられると聞いていますが、それも近衛隊が指揮しているのですか?」
「いえ、近衛隊にも担当者はいますが、基本的に国軍が訓練の一環として進めています。」
「私は軍隊と教育の関係が今一つ理解し切れていないのですが、訓練なのですか?」
「我が国は他国からの侵略を想定していません、侵略して来そうな国は見当たりませんし我らが女王陛下は周辺諸国の人達にも愛されていますので、その王宮の有る我が国を攻撃して来るなんて考えられないのです。
 ですが軍隊は必要です、軍の役割は武力紛争に対応することだけでなく災害時の救助活動、そして雇用の場を確保する意味合いも有ります。
 災害時に軍が組織だって動けなかったら救える者を救えず、守れた筈の者を守れなかったと成り兼ねません。」
「義務教育の場を整えていくことが、組織として動く訓練でも有るのですね。」
「ええ、今は軍の編成を義務教育推進に合わせて大きく変えている最中ですが、災害時の活動も意識していますし警察だけでは対処し切れない犯罪もイメージしています。
 軍事訓練の時間を大幅に減らしたのは、数年前の戒厳令以降、組織改編を行い国軍が土木工事に力を注ぎ始めてからのことなのですが、土木工事が学校の給食事業に置き換わっても組織だって効率良く作業出来、災害時の対応も意識出来るかどうかが国軍に問われているところなのです。」
「給食事業は簡単では無いと言うことですね?」
「勿論です、食材の確保と輸送、調理、それらが予定通りに行かなくても対応する必要が有ります。
 また今まで自分達の食事を作って来た隊員でも子ども向けは慣れていないでしょうし、栄養バランスを考えた食事を提供することが彼らに与えられた任務、平均寿命を延ばしたいですからね。」
「それで給食が義務教育の柱に…、でも学習面の指導は大丈夫なのですか?」
「日本の方から見れば低水準で有ったとしても、ひとまず簡単な読み書きが出来、足し算引き算が出来ればと考えています。
 そこから先は本人次第、義務教育制度の第一段階はバランスの取れた給食を食べられる様にすることと、学びのスタートを全ての子ども達に提供し成長のチャンスを与えることなのです。
 そこから先は本人次第ですね。」
「上手く導かれないと学習に取り組めない子もいると思うのですが。」
「そんな子にまで向き合える教師は少ないと思います、今は子ども達の中からリーダーとしての素質の有る子を見つけ出し近衛予備隊へ、その子達が育ち始めたら第二段階へとなるのでしょうが、学校制度を充実させるだけでも時間が掛かります。
 予算の確保という難しい問題も有りますので。」
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