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近衛予備隊-242 [高校生バトル-67]

 留学生達は近衛予備隊の指導を無難にこなしている様だ。
 もっとも予備隊メンバーは英語力と人柄を重視した入隊試験をクリアした子達で、問題が起こるとは思えない、ただ留学生が教育実習をどう感じているのかには興味が有り、彼らとの会食の場では…。

「実際に学習指導を体験されて如何でしたか?」
「私は少し甘く見ていました、予備隊に入隊して半年と言う子達を担当したのですが、まだ多くの単語を覚えている訳ではないのに英語での会話に積極的、自分の方がついて行けなくなりそうで、日常的に英語を使おうとする姿勢は見習わなくてはならないと思いました。」
「自分は理科を英語で教えると言う機会を貰い苦労しましたが、新鮮で良い経験になりました。
 ここに来て一か月ですが、今まで日本で十年以上学習して来た、その何倍もの学習をさせて貰えていると感じています。」
「そう感じられた理由を教えて頂けますか?」
「英語を学習するのと実際に使うことの差です。
 英語は学習するものではなく使うものだと、そんな当たり前のことにようやく気付けたと言いますか…。」
「確かに日本では日本語だけで生活出来ますものね、自分にとって日本への旅行は良い日本語学習の機会となりました。」
「ジョン王子、近衛予備隊の子達はとても素敵です、私がホームシックになったら慰めてくれる子がいて、恋の悩みを打ち明けてくれる子も、それをまだ学習途中の英語で懸命に。
 近衛予備隊名誉隊員の称号何てことを考えてくれた子もいるのですよ。」
「予備隊のメンバーは良い子ばかりですからね、ただ、これからここの学校、義務教育を進める為に新設する学校では、全く違った困難が待ち受けています。
 良い子ばかりでは有りませんし、能力的にも。
 実習を続けて下さる方には、ここの小学校で英語の授業を体験して頂きますが、その差に気を付けて取り組んで欲しいです。」
「はい、サポートしてくれる予備隊の子からも言われました。
 予備隊の子達が特別であって、これから取り組む子達が普通なのだと理解しています、自分が通った日本の学校でも色々な子がいましたので。」
「サポートメンバーとの打ち合わせは進んでいますか?」
「ええ、十四歳でも実際に英語を教えているそうで、彼女から色々教えて貰っています。
 いざとなったら通訳をしてくれるそうですが頼り過ぎずに頑張りたいです。」
「私は当初の予定を延長して貰ったのですが、直ぐにスケジュールを組み直して下さって感謝しています、予備隊の子とは仲良く準備させて貰っていまして、如何に楽しい授業にするかが大切だと教えられました。
 私は日本で挫折を味わい、気分を変えたいと思って応募したのですが、今はずっと予備隊の子達と共に学び働きたいと思っています。」
「有難う御座います、よろしかったら担当者に伝えますが。」
「はい、お願いします。」
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