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近衛予備隊-236 [高校生バトル-66]

 共和国の大統領を我々の仲間が担う、それは以前から話し合われて来たことだが大統領が引退を意識された今、具体的に話を進めるべき時となった。
 アビュニス王国の建国がせまり女王陛下のスケジュールは詰まり気味になっているのだが…。

「大統領の支持基盤は今も盤石なのかしら?」
「だと思います、目に見える形で改革が進み、それが実際には詩織の指示によることでも妨害されることなくスムーズに進んでいるのは間違いなく大統領の功績ですから。」
「始めの頃はコミュニケーションを取るのに少し苦労したけど、私達が実績を上げ始めてからは良き理解者になってくれたものね、戒厳令には驚いたけど結果的には良かったし。
 一つの企業体に国の根幹事業を複数握らせるなんて他国では有り得ないのよ。
 共和国内王国の成立も発表された当初は反対が多かったけど、王国中心の観光業が更なる外貨獲得に繋がり、マーケット関連の事業展開で失業者を減らして来たなどと大統領がフォローしてくれ、そんな声は一気に小さくなったものね。
 それで、ジョンとしては大統領、どうなの?」
「自分では若過ぎると思いませんか?」
「調べて貰ったのだけど、法的に問題は無くて当選したら世界的にも最年少大統領になるわね。
 大統領選挙に立候補しそうな人は何人かいるみたいだけど、反政府関連の人が当選することは無さそうで、国民の人気度を考えたら若過ぎると言うハンディは簡単に乗り越えられると聞いているわ。
 国の代表は死にかけのお爺さんより村長から王子となった美形が良いって声が結構有るのよ。
 お話の中では王国の英雄として美しき姫と結婚してるしね。」
「あんな作り話が大統領選挙に影響するのは良くないと思うのですが…。」
「実際、電力会社の社長として安定した電力供給の為に働いてるでしょ、その現場は雇用の拡大に繋がってるし、停電の無くなったエリアでは、少しずつ冷蔵庫の売り上げが伸びている。
 今は少しずつ国民の生活環境が良くなっている途中で、それを感じている人は増えつつ有る。
 この少しずつと言うのが良いのよ、一気に大金持ちになって贅沢三昧するよりも精神的にね。」
「そう言うものですか…。」
「冷蔵庫を買えたから次は、と頑張れるでしょ?
 人間、目標が有った方が良いのよ。」
「確かに目標がないと成長出来ないのが人間ですね、少し前の村は特に目標の無い人ばかり、生活を改善出来る知識も能力も無く…。」
「そんな村は共和国内にまだまだ有るのかしら?」
「ええ、衛生面に無神経だから病気で苦しんだり、文字の読み書きが出来なくて良い仕事に就けないとか、義務教育を通して色々教えて行く必要が有ります。」
「ジョンが大統領になったら、今以上に改革を進められるのかな?」
「自分一人では無理です。」
「そうね、でもジョンの周りには素敵な人が自然と集まって来る、そして、その人物を見極め多くを任せられるだけの力量がジョンには有る。
 規模が大きくなるだけで仕事は村長と大差ないのだから大丈夫よ。」
「もし自分が大統領に成ったら、詩織はバックで支えてくれますか?」
「勿論よ、当然でしょ。」
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