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近衛予備隊-235 [高校生バトル-66]

 教育制度を拡充して行く必要性は前々から言われていたのだが、共和国にはそれだけの力が無く難しいと思っていた。
 だが義務教育に国軍を最大限に活用する思い付きは予算面のハードルを大きく下げることが出来る。
 教育の質は兎も角、子ども達が栄養のバランスを考えた給食を食べられる環境と、識字率を上げる必要性を中心に大統領を説得した。
 戒厳令を出した頃は独裁者と言われることも有った大統領だが、その後はお歳のことも有り年々穏やかに。
 彼が老害を撒き散らす様な独裁者にならなかったのは我らが女王陛下、詩織さまの影響が大きい。
 国の改革に成功した大統領として名を残す道を、彼女がさりげなく勧めて来た成果なのだ。
 結果、義務教育に関する話に対して、それを大統領としての最後の仕事のしたいと話してくれ、自身の後継者についても…。

「シャルロット、大統領は義務教育制度を受け入れてくれただけでなく、自身の進退についても話して下さったよ。」
「お歳ですものね、戒厳令以降は周囲を私利私欲に走らない優秀な人材で固めて来たから大きな問題は起きて無いけど、後継候補はいるのかしら?」
「それが…、はっきりとは言われなかったのだけど、詩織さまにはお願い出来ないと話しながら、俺を意識しておられるみたいでね。」
「詩織さまの目論見通りに、共和国を私達の手で更に改革して行くことが可能になりそうなの?」
「ああ、彼の周りにも優秀な人はいるけど裏方に向いてる人ばかりだそうだ。」
「部下に野心家は必要ないと話していらしたものね。
 詩織さまが後継者を育てる必要性を大統領に説いておられた時には、詩織さまにお任せしたいと冗談交じりに話しておられたけど、意外と本気だったのかも。
 それで、ジョンは大統領になる覚悟は出来てるの?」
「自分だけの力でどうなることではないが、ここまで支えて来てくれた人達は喜んで応援してくれると思う、組織のトップが無能でも幹部スタッフがしっかりしていたら大丈夫だと話していたからな。
 トップが無能でも聞き訳が良ければ部下は動き易いと言う人もいてさ。」
「ジョンは無能では無いけど聞く耳を持ってるから評判が良いのよね、私が近衛予備隊に入隊した時に、バランス感覚を身に付けなさいと言われたけど、ジョンなら安心だと思う。
 それで、大統領になるまでの道筋は教えて貰ったの?」
「いやいや、はっきり言われた訳ではないからな、まだ若過ぎると思うし。」
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