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近衛予備隊-233 [高校生バトル-66]

 正直、自分達をモデルにした作り話に対しては違和感を感じたが、その経済効果を考えると何も言えない、それだけの利益をもたらしてくれたのだ。
 ただ、これだけで終わらせてはダメだとのシェリルからの言葉は、少しのんびりしていた自分に喝を入れられた気分になった。

「これで満足せずファンサービスを行い更なる利益をか、シェリルは経営者に向いてそうね。」
「だな、俺達のスケジュールに余裕が有ると知ったら、早速の提案、まあ資金は多いに越したことはないからやるしかない。
 セリフなしで小説の名場面だけを演じるぐらいなら下手でも許して貰えるだろう、本格的な映画ではないのだからな。」
「セリフが無いとは言え、あまりにも残念な演技だったら、皆さんを残念な気持ちにさせてしまうわよ。」
「そこは、自然体で何とかなるだろう、本人が演ずるのだから。」
「でもね、ちょっとだけやってみたのだけど、カメラを意識すると結構難しくて、今まで私達が撮影して来たYouTube動画の様にカメラに向かって説明するのとは全然違うのよ、練習が必要だわ。」
「そうか、実験的な取り組みだから成功させたいものだが…。
 結婚式のシーンはそのまま使えるから良いが、プロポーズのシーンとかは作者の空想だろ、現実ではプロポーズなんてあやふやだったし。」
「子どもの頃から結婚するつもりだったものね。
 でも、本のページに印刷されたQRコードから無声映像へと言うのは上手く行くのかしら。
 電子書籍からでも読むのを一旦止めて無声映像を見ることになるのでしょ、本の持つ、読者が勝手に状況を想像し思い浮かべることが出来る、と言う長所を奪うことにもなるのよ。」
「その辺りは写真ページが有るから同じだろ。
 既に本を持ってる人向けには、何ページ辺りの映像として動画を辿れる様にし、その動画で俺達のグッズや服を見せるのが目的の一つ、一回読んで終わりと言う本より得な気分になれるのではないか。
 本を読みながら時々スマホで動画を見ても良いし、読み終わってから動画を見ても良い、やってみて好評なら今後は初版本からの採用を目指すそうだよ。」
「アビュニス王国の建国に合わせて続々と発行されるのよね。
 不思議な三つの王国を舞台に繰り広げられる冒険小説、恋愛小説に国家社会の在り方を問う文学作品、YouTubeチャンネルのミュージカルは三か国を舞台にプリンセス雅が遠江王国のプリンセス役、脚本と作曲はかなり出来上がったと聞いたわ。
 絵本にもQRコードを付けたりするのかしら?」
「子どもの学習に繋がるシステムを考えたいとは聞いているが、どんなものになるのか楽しみだよ。」
「私達の子が喜んでくれるものになれば良いのだけど。」
「まずは、無事に生まれてくれないとな。」
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